第35回池坊北陸三県連合花展2001年10月17日(水)〜10月22日(月) 金沢名鉄丸越百貨店8階(石川県金沢市)
富山、石川、福井の3県で、華道団体池坊に所属する人たちが2年に1回開くいけばな展。 会場には、池坊専永家元などの作品多数が飾られ、花の香りと熱気に包まれた。コンクールの最高賞の家元賞は亀田武子さん。次いで、石川県知事賞に佐野紀芳さん、金沢市長賞に小林よし子さんの作品が選ばれた。 コンクール応募者の生け花には,それぞれ審査員による批評が添えられた。たとえば、矢地幸子さんの作品には「ケイトウがすごく印象的な作品です。花材の取り合わせは面白く感じられますが、左右のバランスをもう少し強弱をつけてみてはいかがでしょうか」。 前田由翠さんの作品には「ツバキの白とホウキ草やトラフアナスのコントラストは良いと思います。ただ、ツバキの扱い方をもう少し考えて下さい」
教授者の若島翠節さんは「私は14年位前に家元賞をいただきました。今回の花展の間、家元の作品のお世話をしております。もっぱら、若い人たちの成長を期待しているんですが」と話している。 |
石川デザインコレクション2001年10月4日(木)〜10月30日(火) 金沢ステーションギャラリー(石川県金沢市)
(財)石川県デザインセンターのコレクション展。国際ガラス展・金沢、国際デザインフェア石川などの受賞作品。国内だけでなく、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、韓国などの作家約30人の作品を飾っている。 韓国の作品で際立つのは、漆芸。鄭昌虎「乾漆91」は横長の大きな球を割ったような柔らかな形。頂円部から螺鈿(らでん)で放射線を美しく描く。朴東教「祝祭」は直径40センチ、高さ75センチの大きな甕(かめ)形。黒漆に赤や青、紫の方形の模様を散らし、まさに祝祭の雰囲気。権相互「乾漆沈金『森』」は沈金技法に優れ、いずれも韓国の漆芸水準の高さを見せている。 ガラス工芸では、アメリカの作家リチャード・ロイヤル「プライマリー・リレーション・シップ」。胴部がねじれ、口がラッパ形の容器。赤、青、黄色の大胆な色彩に圧倒される。フランス女性のカトリーン・ゾリチャック「プレート」は、30センチ四方の厚板ガラスに、十字形のガラスを盛り上げ、黄、茶系統で装飾。透明ガラスの特性を生かし、神秘な雰囲気の作品に仕立てた。 ギャラリーはJR金沢駅構内。(財)同県地場産業振興センターで運営。観光客らも訪れ、作品を鑑賞している。
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石川一陽会ミニチュア展2001年10月17日(水)〜10月22日(月) 画廊プラザ樹(石川県金沢市)
美術団体一陽会の石川県在住者による恒例の絵画展。 同会委員の大場吉美ら31人が小品を飾る。 大場の「イマジネーション」は女性ヌードだが、人形のようにデフォルメ化し、不思議な幻想の世界を表現。判三教「潮騒」は荒波が押し寄せる岩場を背景にした少女像。写実的に髪を描き、リアル感を盛り上げている。
能波祥明「樹」は、白雲がわく青空を背に、丘に立つ1本の木を描く。情感豊かな風景が心地よい。上田満哉「帰心」は抽象で、赤、黄などの色彩感覚が爽やか。このほか、安田淳、野中未知子らの力のこもった作品を出している。 展覧会に併せ、入札方式で絵を購入できるというユニークな作品展も開かれた。 あらかじめ、標準価格を設定し、それ以下の価格を書いて投票する。希望者が多ければ、1番高い価格の人に落札する。 |
金沢大学教育学部美術教室・デザイン研究室展2001年10月10日(水)〜10月15日(月) ギャラリーアルトラ(石川県金沢市)
金沢大学教育学部美術教室「デザイン研究室」の卒業生5人、大学院生1人、指導の松浦昇教授による初の作品展。同じ研究室の関係者とはいえ、表現手法もさまざまに、個性的な作品が飾られた。 小西裕一の写真作品は、撮影したリバーサイドフィルム(スライド)の裏からライトを当てて、日本海の夕日や小動物、花の美しさを浮かび上げる。安井理恵は、数種の写真を組み合わせ、華麗で幻想的な世界を表現した。 吉村公丹子の作品は、自然保護をテーマにしたポスター。写真をパソコンに取り入れて処理し、1部にアクリル絵の具で描くなどして、温かな雰囲気を出している。長浜孝弘は約20センチ四方の板に、アクリル絵の具でユーモラスな絵を描き、好評だった。 大学院2年新谷敦子は、手描きの絵にパソコンで彩色した。浮世絵さながらの現代風景で、花火や囲碁などを楽しむ女性の姿を明快な色彩で表現している。 美術教室には、絵画、彫刻、陶芸など各ジャンルがあり、来年は教室全体の作品展を開く予定という。 |
山岸大成 個展2001年10月5日(金)〜10月17日(木) ひろた美術画廊(石川県金沢市)
石川県寺井町在住、日展特選2回の実績を持つ45歳の若手陶芸作家の個展を訪ねた。 日展作品はモニュメントという言葉が作品を紹介するにふさわしい、鋭角的な造形作品であるが、今回の個展会場に並んでいたのは、花器、器をはじめ、ぐい呑みや陶額等、暮らしに彩りを添える作品ばかりであった。 いずれの作品も爽やかな透明感に溢れている。 上絵の背景となる白が際立っているが、釉薬の厚さが白を生み出しているのだろうか。その白の上に描かれた上絵は、生きいきとした線に透明に輝く釉薬の発色が、気持ちを爽やかにしてくれる。 描かれた上絵と器の形、白い部分とのバランスに安心感があるのは、日ごろ造形的な作品を作っていて、空間とのバランスに意を砕いている中から得られた感覚なのだろうか。 実用的作品の中にも鋭い感性の感じられる、楽しい展覧会であった。 |
太田永久 展2001年10月11日(木)〜10月16日(火) 犀川画廊(石川県金沢市)
写真歴30年。花と自然を撮影した近作27点。展覧会の傍題に「花の声 自然の心」。花は、アジサイ、ヒルガオ、ナデシコ、ハス、スイレンなどを接写撮影し、かれんな花の命や鮮やかな色彩を見事にとらえている。 風景写真は、上高地・大正池の幻想的な光景を撮影した「時雨」、岐阜・安房峠で、新雪と紅葉の色を対比させた「初雪の朝」。愛知県・足助川付近で、きらめく清流の上を紅葉が覆う「郷愁」。滋賀県・余呉湖付近では、手前に桜、遠くに雪に染まった杉山、という風景に出合い、秀作「春寒」に仕上げている。 長く高校教諭(化学)を勤め、今春、校長を最後に定年退職。現在大学講師。写真は「小学生のとき、おやじのカメラを借りて家族を撮って以来、病み付きになってね」。30歳ごろ、高校写真部顧問を任されたのを契機に本格的に取り組む。金沢市在住。東京・現代美術家協会会員。 犀川画廊は開いて37年。金沢市の画廊では1番古いとか。市街地を流れる犀川に面し、室生犀星ゆかりの寺も近い。 |
金沢美術工芸大学織物専攻 幟展2001年10月2日(火)〜10月7日(日) ギャラリー那珂(石川県金沢市)
加賀友禅の伝統を現代に生かした美大生9人の作品展。大学3年から大学院2年までの女子学生で、生活用品やオブジェなど、さまざまな「織りの世界」を披露している。
大学院2年中村倫子「セルカリア」は、色とりどりの5点のオブジェ。ウール糸を使い、強撚糸と平織を表裏一体にし、幼虫のような形が面白い。「心のわだかまりを表現してみたかった」という。 同学年村野みはるの作品2点は、和紙の原料コウゾと織りを組み合わせ、迫力のある作品に仕立てた。1部を彩色した作品は、鳥瞰(ちょうかん)図のように野山を描いた風景にも見え、変化もあって楽しい。 2点のワンピースをつなぎ、天井から吊り下げ、床面に深紅の布を置いたのは、同1年大野悠の作品。上部の白から、徐々に赤を濃くしてゆく技法や展示方法が勝れている。
このほか、3年伊籐零による染織は、3枚1組の布で構成。布の持つ温かさや柔らかさを巧みに表現。同学年垣見雪世の壁掛けは、生き生きとした雄鶏を表現。もう1点は、長方形の布に丸い輪を描き、下部を赤く染め上げ、夕方の微妙な色を出している。 |
百輪生(ひゃくりんざし)展2001年9月26日(水)〜10月14日(日) さとやまクラフト・横安江町(石川県金沢市)
さまざまな表情の「1輪ざし」の花器を、金沢市内の作家20人が併せて百点余を出品した。幾つかの花器には、生け花草月流の天地昌綾社中の手で花も生けられ、ユニークな展示会である。 作品は、陶芸、ガラス、金工と種類はさまざま。作家の実力も違い、年齢も20〜50代と幅がある。 ギャラリーのショーウインドーには、吉岡正義の「焼締大壷」。信楽焼の古窯のように堂々とした風姿に、通行人も思わず足を止める。木越勲の1輪ざしは、灰釉をかけた鶴首や焼締など、それぞれ落ち着いた雰囲気を出している。 戸出克彦の「銀彩花生」は横長の舟に似ており、形の面白さをねらう。生けたワレモコウやススキがよく似合う。村本外茂樹の「染付1輪挿し」は、水色の方形にオタマジャクシのような文様が愛らしい。 このほか、中平美彦の「黒釉花入」は、黒っぽい肌で土の温かみを出し、上部真ん中に丸い穴を開け、花器としても面白い。金工では、大場壮平が、蓮の花びらのような優美な作品を飾り、独自の世界を表現している。
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4峰展 日展評議員4人展2001年9月27日(木)〜10月2日(火) ギャラリーノア(石川県金沢市)
九谷焼のふるさと、石川県在住の4人の陶芸家の作品展。そろって日展評議員として活躍する浅蔵五十吉、越田健一郎、高光一生、武腰敏昭の各氏。60〜72歳の円熟期を迎え、競作の形で合計約80点を出品した。 各作家とも、1、2点は比較的大形の作品を飾り、それぞれ個性を見せて面白い。浅蔵の「朝日をあびて」は円錐の壷形。上部と下部で構成し、下部には杉のような木々が取り巻くように盛り上げ、落ち着いた風情がある。口部、胴部、木々は黄系統で彩色し、斬新なイメージを出している。 越田の水指(みずさし)「彩器」は、全体を温かな淡黄色の釉薬で染め上げる。牛や綿羊などが、容器の周りを疾走する光景を呉須(ごす)で描き、楽しい作品に仕立てている。
陶壁画など壁面レリーフで知られる武腰の立体「寂(しず)か」は、全体を黒淡色で塗りこめ、1つの面にプラチナでフクロウを線描。やや欠けた金色の月を浮かべ、品のいい作品に仕立てている。 自在に土をひねっているのは、洋画家高光一也(文化功労者)の長男として育った高光一生。花器「尊厳」は胴部に瞑想する女性の姿を浮刻し、こだわらない口部の形に個性があふれている。 ギャラリーノアは、喫茶店も兼ね、オープン3周年記念に4峰展を開催。ギャラリーからJR松任駅前にある松任市中川一政記念美まで車で15分で行ける。 |
青金会 第16回水墨画現代南画展2001年9月26日(水)〜10月1日(月) 金沢・名鉄丸越スカイギャラリー(石川県金沢市)
金沢市の水墨画団体「青金会」(奥鶴玲主宰=日本南画院同人)の作品展。約70人による葉書サイズから百号の作品。
奥主宰の「浄想」は千手観音像を描く。花のように開いた「千手」。柔らかに手を合わせ、遥かな永遠を見つめているようなまなざし。水墨の濃淡で仏像の清浄な姿を見事に描き上げる。もう1点、「芳香」はブドウの瑞々しさを巧みにとらえた優品といえる。 このほか、寺畑千歳「野いばら」、高木啓玲「藤かげ」、福島志峰「華映」、北一治夫「山里の一隅」など、どれも生き生きとした自然の生命を写し取ったような作品である。 |