花田和彦 作陶展2002年1月23日(水)〜1月29日(火) 名鉄丸越(石川県金沢市)
有田焼の磁器の原料・天草陶石と、陶器の原料の福岡、佐賀の山土を混合した半陶半磁技法による「新有田焼」を飾る。花入、水指、抹茶碗、香炉、陶板画をはじめ、茶器、食器、酒器など日常雑器類など約百点。 白磁の有田焼と違い、やや青みや灰色を帯びた肌に、青、赤、紫の3色で、キキョウやコスモス、アザミなどの草花を柔らかな筆遣いで描いている。自宅は農家で、栗のイガや柿、ミカンなどの木の灰釉も使い、素朴で土の温みを感じさせるのもいい。 1957年福岡県生まれ。九州産業大学芸術学部卒業。有田焼窯元で約10年間、修業したあと、88年独立。佐賀県有田町在住。 |
釣谷幸輝 銅版画展2002年1月19日(土)〜1月27日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)
幻想、怪奇、怪異、神秘、ミステリー……。こんな言葉で表現できるだろうか。画家は「楽しみながら、自由に表現した」というが、近作33点は、見る者を不思議な世界に引き寄せる。 小は18.2cm×12.8cm。大は80×40cm。アクアチントやメゾチントの技法によるモノトーン(単色の濃淡)の作品。卵、魚、猫、女性などをモチーフに、イメージをふくらませながら自在に描き、銅板画に仕上げる。
大作には、警句めいた言葉を添える。頭に観葉植物を載せ、腹部に魚を飼う「水栽培をする女」には「人は何かを育てようとする時、自らもそれによって育てられようとする……」。「夜明けの卵」では「生まれるべき瞬間(タイミング)は必ず存在する」 1967年富山県生まれ。金沢美術工芸大学大学院修了(油画)。2001年「とやま現代作家シリーズ・こころの原風景展」(富山県立近代美術館)出品。同県八尾町在住。 |
女性作家陶芸展2002年1月16日(水)〜2月10日(日) 寺井町九谷焼資料館(石川県寺井町)
九谷焼の本場、石川県在住の女性作家23人の作品。鉢や飾り皿、花器、オブジエなど28点。日展や日本伝統工芸展などで活躍する作家も多く、水準の高い数々の力作が飾られた。 日展会友中谷淳子の大鉢「爽秋」は直径61a、高さ12.5センチもある大作で、陶彫の白いボタンの花がほんのり浮かぶ。同じ日展会友の美山富の鉢「華麗」はやや小ぶりだが、デザイン化した花とその影も描き、まさに大胆華麗な優品といえる。 北村鶴代の「宙(そら)」は、高さ46センチの堂々とした花器で、素地のひび割れを巧みに利用した労作。米多和(日本工芸会正会員)の大鉢「彩釉うさぎ文鉢」、大杉幸枝の花器「分水界」は彩色に個性を感じさせ、宮本外もゑの「色絵小紋水指」は秀でた職人の手技を思わせる。 |
日高理恵子展「樹の空間から」2002年1月15日(火)〜1月31日(木) ギャラリー16(京都府京都市)
子どものころ、公園や鎮守の森などで、高い木々を見上げ、不思議な空間に感動を覚えた人もいるだろう。日高さんもその1人だが、仰いだ木々をモチーフに描き続ける希有な画家だ。本展の9点のうち、1点は紙に鉛筆、アクリル絵具で描き、残りは初めて試みたという銅板画。 銅板画は、ドライポイント手法で幹や枝の強い張りを表わし、アクアチント手法で、枝々の上の柔らかな花や葉などを表現。版画を額に収めるとき、普通はマットを使うが、あらかじめ版の周りの余白を決めて刷っている。版の片側に広い余白をあけた作品もあり、絵画空間を変化させている点も面白い。 1958年、東京生まれ。武蔵野美術大学大学院日本画コース修了。95、6年、文化庁芸術家在外研修員としてドイツ滞在。 |
二紀会北陸支部石川会 彫刻展2002年1月12日(土)〜1月27日(日) ギャラリー点(石川県金沢市)
二紀会北陸支部長の末政哲夫(委員)、小尾昌弘(同人)、渡辺秀亮(同人)、渡部順子ら4氏の作品のほか、去年3月、72歳で逝去した岩山豊郁氏の遺作を併せて飾った。末政氏のみ金工で、ほかの3人は石材で制作。また、岩山氏は塑像と石材。
末政氏は、鉄とステンレス・スチールを自在に切断し、曲げ、接合し、大胆に造形。花をモチーフにした「開花」は、赤く塗った鉄板を1ひねりし、3角形のステンレス2枚を合わせた中にはさみ、華麗な形に成型。 小尾氏は、刻んだ石を幾つか組み、立方体に構成。「アーバンヴォイド(都市空間)」は9つの石で、整然とした内部の空間の妙を見せる。また、渡辺氏は割った石を曲面状に磨いたあと、元のように接合する「割り戻し」の手法。「闕(けつ)」は接合部分を巧みに隠し、ユーモラスで温か味がある。 紅1点の渡部さんは、金沢美術工芸大4年生で、去年10月、初出品で初入選の新鋭作家。石材で動物や人体をデフォメルし、柔らかな形に表現。「海風のトルソ」は黒御影石で、裸婦の胸と背中の部分を磨き出し、シンプルで艶やかな作品に仕立て、好評だった。 |
金沢九谷・3人展2002年1月10日(木)〜1月20日(日) 諸江屋ギャラリー片町(石川県金沢市)
金沢市で、伝統のある九谷焼作家として活躍する長谷川健一さん(64)と吉田勝山さん(63)、佐藤剛さん(33)による3人展。各人が約40点ずつ出品し、個性の際立つ作品展として興味を引いている。金沢九谷振興協同組合の企画。 長谷川さんは、青九谷金彩の手法を得意とする国の伝統工芸士。本展には象嵌(ぞうがん)、三島などの技法も使い、茶道具類を中心に出品。作品、手法ともさまざまで、なかなか楽しい。 日展、朝日陶芸展などに入選し、写実的な色絵で人気のある吉田さんは飾り皿を中心に出品。尺8寸近い大皿に描いた竹林や鳥、魚の絵が秀逸。若手作家の佐藤さんは、清潔感のある白磁の食器類を中心に出品した。
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輪島塗・大徹漆鬼展2002年1月9日(水)〜1月15(火) 名鉄丸越(石川県金沢市)
伝統工芸の日本の漆器を代表する輪島塗で、特異な製法や塗りに挑戦した製品の数々を披露する。石川県輪島市の大徹漆器工房の主催。 輪島塗の素材で、石川県の木「アスナロ(アテ)」のへぎ板を編んだ「網代(あじろ)組み漆器」の座卓。この漆器のざらざらした表面をうまく利用し、色漆を重ねては研ぎ、黄色い蝶の模様を浮かび上げた「胡蝶(こちょう)塗り」の脇机が素晴らしい。 中塗りの時点で、蒔絵(まきえ)を描き、漆を塗り重ねて隠し、数年後に絵が透けて見えるという「隠し塗り蒔絵」のパネル。能登地方に産する珪藻土(けいそうど)で陶器を作り、これに漆をかけた茶わんも独創的で、面白い。 珍しいのは、カボチャやナス、柿、リンゴなどの中身を取り、漆を塗り固めて置物や物入れなどに仕上げた製品。漆が水分を吸収する特殊な性質を利用した製法で、豪華な造りに目を見張る人も多かった。 |
寺田栄次郎 個展2002年1月10日(木)〜1月22日(火) ギャラリーノア(石川県松任市)
テンペラ画に、金箔を使った独自の技法による優品21点。写真さながらの人物像などの「実の世界」。背景のきらびやかな「虚の世界」。その対比が、見るものを幽玄の世界に誘う。 画布は使わず、シナベニヤ(板)などに石こうとニカワで地塗りをし、この上に描く。人物や花、果物、貝殻などをモチーフに、どれも写実的に描写。背景には金箔を押し、作品によっては、刻印で幾何学模様や草花などの装飾を施している。 特に注目された作品は、「白銀の夢のなかで」(F10)。黒いドレスを着た女性が片方の肩ひもを外し、肌が匂いたつように描かれる。金色にまばゆく輝く空間を背に、荘厳、華麗な絵画世界を表現している。 1950年、名古屋市生まれ。愛知県立芸大大学院(油画)修了。東京芸大助手時代、高松塚古墳壁画の再現研究班に所属。国展国画賞。国画会会員。金沢美術工芸大教授。 |
燦燦展2002年1月4日(金)〜1月10日(木) 北國新聞社別館ギャラリー(石川県金沢市)
石川県在住の岩田崇(日本画・金沢美術工芸大学教授)、北室南苑(書・篆刻=てんこく)、松原敏(現代俳句・詩)の3人が、奥能登・三井の手すき和紙を使い、共同で1枚を仕上げるという異色展。17点。 作品の大半は、松原の俳句や詩をあらかじめ北室が書き、その紙の空白部に岩田が絵を描いている。残りの4、5点は、先に岩田が描いた絵を見て、松原が句を作り、絵の空白部に北室がその句を書くという手法。
たとえば、初々しい白ボタンの絵には、「童女きて重たき白の言わぬが花」の句。逆に「川ふたすじ金沢の菓子買うまっし」の句には、瓦屋根に高い空から降る雪を描く。「3人の個性がうまく調和している点が面白い」と好評だった。 |
金 賢貞(キム・ヒョン・ジョン)個展2002年1月8日(火)〜1月16日(水) ギャラリーアルトラ(石川県金沢市)
1972年、韓国生まれ。金沢美術工芸大学大学院在学。染め糸の織りによる立体表現で、最近注目の若手アーティスト。本展には、去年の北陸中日美術大賞展や世界コンペティション金沢などの受賞作品6点を出品した。 手法は、ソファーの詰め物などに使う発泡スチロールの紐に、染め糸を巻きつけたのを組み合わせ造形。北陸中日大賞受賞作品「CIRCULATION」は、赤や紫、緑系統の多彩な色彩を変化させながら組み合わせ、まるで動くような形に仕上げ、高く評価された。 作品のテーマは「水の生命力」。「川や海は人生にたとえられ、動く水には命があるようで面白い。人は羊水に浮かんだ状態で育つし」と、どの作品とも生き生きした躍動感がある。韓国工芸家協会会員。 |