
大坪紀久子個展2002年3月1日(金)〜3月10日(日) ギャラリーアルトラ(石川県金沢市)
版画。銅板の代わりに塩ビ板を使い、ふんわり、柔らかな刷りで制作した35点。「口笛を吹きながら」と名付けた個展の名の通り、イラスト風の作品は、どれも温かい雰囲気に包まれる。色彩は赤と黒を基調にし、単純明快な構図もいい。 リンゴが一杯詰まった袋を抱える年配の男性。思いきり略した表情がおかしい。画題「The apple of your eye」は「あなたの大事なもの」とか。男性同士が街角で出会った作品「ごきげんよう」もありふれた風景だが、どこか懐かしい。手前の後ろ姿は赤いズボンをはき、右手を大きく上げ、2人の関係をいろいろ想像させ楽しい。
1972年4月、東京・板橋生まれ。文化学院美術科卒業。5年前から塩ビ版画を中心に制作。作品が99年、雑誌「タイム」の日本紹介記事の挿し絵に採用されるなど、雑誌やCDのジャケットなどを飾る。休みの日は養護老人施設を訪ね、ちぎり絵制作のボランティアを。個展は4月2日(火)〜7日(日)、東京・南青山画廊でも開かれる。 |
陶芸4人展−金沢2002年2月27日(水)〜3月5日(火) 名鉄丸越(石川県金沢市)
金沢九谷振興協同組合所属の陶芸作家12人が3グループに分かれて開く作品展。最終は、日展作家の松本佐一(71)、中堅の岡重利(48)と南保健(43)、新進の村本外茂樹(28)の4人展。 松本の作品は、奔放な色使いと大胆な作風が魅力。鉢や盛器、飾り皿などを出品。岡は、貫入技法(釉の表面のひび入れ)の冴えを見せる美しい青緑色の青磁が中心。鉢や茶碗、香炉、盤などを飾った。 南保は、練り込み技法(色の違う粘土の組み合わせ)による優美な縞模様を描いた花器や、鉢、皿、湯呑み、カップを制作。村本は染め付けの青い花模様を幾つも描いた鉢や一輪挿し、自在な造形によるアロマポットなどで、どれも清潔感を漂わせている。
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昭和を代表する10人の版画家展2002年2月16日(土)〜2月24日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)
昭和時代を中心に勝れた作品を残した池田満寿夫、長谷川潔、浜口陽三、浜田知明、猪熊弦一郎、菅井汲らの銅板画、リトグラフ、シルクスクリーンを飾る。 目を引くのは、長谷川の外国風景を写実的に表現した銅板画。「ヴェヌヴェルの丘上の古い農家」(1942)は、画面の半分近くを占める空を背景に建つ農家を描き、澄んだ空気を感じさせる。 画家、版画家、陶芸家、芥川賞作家、映画監督……と多彩な活躍ぶりを見せ、時代の寵児とも目された池田。彼の銅版画は、温かい色調の「祭りのヴィーナス」(1985)。赤色をバックにした裸婦ののびやかな肢体がまぶしい。 豊饒な色彩の猪熊の「緑の中の赤」(1978)。人形から高笑いが聞こえてきそうな菅野陽の「人形三体」(1974)、と見ごたえのある作品が並ぶ。 |
国友博・山本宏幸 二人展2002年2月14日(木)〜2月26日(火) ギャラリーノア(石川県松任市)
金沢在住の新進気鋭の画家―油絵の国友と日本画の山本による作品展。14点ずつ出品。うち3点は、画題を「ひな祭り」、色彩「赤」、号数「3号2枚を縦に合わせた大きさ」と同一内容に決めて制作した。アクリル、日本画と素材は違うが、似通う面もあると話題を集めた。 外国風景を好む国友の「夢広場」は、16世紀代の西洋素朴画のように、村の風景や農民の姿を多彩に描く。一連の沖縄風景も豊潤な色彩が目を奪う。一方、山本は金箔を素地に、多数の金魚を描いた「更紗(さらさ)」、明快な構図でまとめた「春の丘」など、どれも鮮明な色彩感覚が好評だった。 国友は1957年、大阪生まれ。金沢美術工芸大学(油絵)を卒業。光風会をへて、一創会会員。山本は65年、金沢生まれ。同大学大学院(日本画)修了。西山英雄、山本知克らに師事。無所属。 |
金沢市染織作家協会展2002年2月14日(木)〜2月19日(火) 香林坊大和(石川県金沢市)
加賀友禅の伝統をくむ金沢市染織作家協会所属の作家23人の作品を展観。染色の着物からモダンアートのオブジエまで出品され、ユニークな作品展だ。今年で4回目。金沢市文化ホールでも染織とガラスなどの素材を組み合わせた作品展を同時開催。 毎田健治の友禅染額「花野」は、色とりどりの花を鮮やかに描き、加賀友禅特有の華麗さを存分に表現した優品。中町博志のタペストリーは、縦長の布地に四角の模様を7つ並べ、複雑微妙な色彩に染め上げ、味わいがある。 一方、川本敦久「俯瞰(ふかん)する情景」はシルクスクリーンの技法で、3次元の世界を表現。赤い模様のガラス越しに人影を浮かべたような現代風景が面白い。木場紀子の草木染めによる座布団はしっとり落ち着き、上坂幸枝の屏風「遊夢」は、絵が華やかで楽しい。 |
萩焼 守繁栄徹・守繁徹 父子展2002年2月7日(木)〜2月19日(火) 九谷焼諸江屋ギャラリー(石川県金沢市)
萩焼の井戸茶碗では第1人者とされる守繁栄徹(もりしげ・えいてつ)とその子、徹(とおる)の父子による作品展。茶道関係、日常雑器類など70点。 栄徹は1930年生まれ。古来、茶人から「一井戸二楽三唐津」といわれ、珍重されてきた井戸茶碗の研究、制作に打ち込み、日本伝統工芸展でも大井戸茶碗などが入選。本展には、数々の井戸茶碗のほか、茶入れ、水差しなどを披露した。 一方、徹は1954年生まれ。父親の元で腕を磨き、萩焼の伝統を守りながら、個性のある造形の作品も制作。全国陶芸展では水差しや茶碗などで入賞、入選している。本展には、茶碗、花生け、酒器などを出品した。 |
金沢九谷陶芸4人展2002年2月6日(水)〜2月12日(火) 名鉄丸越美術サロン(石川県金沢市)
金沢九谷振興協同組合所属の陶芸作家12人が、3グループに分かれ、作品を展示する計画を立て、その1回目の4人展。出品者は泉富美、木越勲、北山裕、森田泰史ら中堅、気鋭作家。 泉と森田は昭和57年、嵯峨美術短大(京都)を卒業した同期性。泉は伝統の大樋焼・松雲窯窯元の父親(2代喜仙)に師事。火色を残す飴色の優美な「大樋赤香炉」や茶陶を出品。森田は京都の窯元で3年間学んだあと独立。「金彩『いろは大皿』」やフクロウの置物など自由な作風の陶芸を披露。 木越は、九谷焼の伝統を現代に生かしながら作陶するベテラン作家。花器に見たてたアロマ・キャンドル入れ「香の器」、飛鉋(とびがんな)の技法を駆使した水差しなどを飾った。30代の若手作家、北山は九谷焼の伝統色の赤を使い、ツバキの花などを描いた「弁当箱」など斬新な作品が好評だった。 |
「土と火とこどもたち」展2002年1月31日(木)〜2月5日(火) アートシアターいしかわ(石川県金沢市)
金沢市泉野の「泉の台幼稚舎」(新保裕子園長、園児132人)と「アイ愛キンダーガーデン」(林直子園長、22人)の園児による陶芸展。「幼いときから土の温もりを知り、ものを作る喜びを知ってもらえたら」と長年、陶芸教室とその作品展を開き、今年度は25回目。 入園児は0〜5歳。年齢に応じて制作内容を変え、0歳は粘土板に手形を押した素焼きの壁掛け。1歳は自由作品。3歳は粘土板にひも粘土で自分の顔を表現。4歳は発表会で演じたサルカニ合戦のカニなどを。5歳はペン立てや、演じたピーターパンの登場人物をこしらえた。運動場の片隅で、野焼きによる制作もした。 新保園長は「子どもたちは大人と違って、自由に制作し、作品も随分面白い。親子2代の陶芸教室経験者もおり、いい思い出になっているようです」と話す。 |
「グリコのオマケ」をとりまく世界 加藤裕三と武知広幸の2人展2002年1月27日(日)〜2月11日(月・祝) 金沢市民芸術村(石川県金沢市)
幼いころ、お菓子のオマケが入った小箱を、ドキドキしながら開けた人も多いのでは……。「グリコのオマケ」のデザインを長年手がけた加藤裕三さん(1950−2001)と、友人のおもちゃ作家、武知広幸さん(1972−)の作品による楽しい展覧会。 加藤さんは87年以来、江崎グリコの創作玩具のデザインをし、最初はプラスチック製、最近は木製のオマケで人気を集めている。去年5月5日の子どもの日に急逝。本展には約170点のオマケと、木製からくり人形約30点が出品された。 一方、武知さんは大阪市内の小学校の美術教諭。加藤さんと親しく交わり、ウッドクラフト公募展などで優秀賞受賞。おとなでも楽しめるユーモラスな作品を手がけ、本展には約100点を飾った。2月10日にワークショップと講演がある。入場無料。 金沢市民芸術村は「展の森」掲載。 |