
花田〜花を待つころ愛でるころ〜2004年4月1日(木)〜5月27日(木) 茶房古九谷ギャラリー(石川県加賀市)
「花田」とは藍染で露草の花のように染めた色のこと。色鮮やかな花々が咲き乱れるこの季節から梅雨前の清々しい季節にかけて、花を生けるための器を紹介する展覧会。今回は24名の九谷の作家が、それぞれに思う花器を出品した。
普段から大きな花器を手掛ける作家にとって手の平サイズの花器は馴染みがないだろう。豆花器と呼ばれる小ぶりの花器から手の平サイズの可愛らしい花器なども見られる。また、灰皿や香炉、向付、猪口といった用途の異なるものを花器として見立てる、花器見立ての提案もなされている。普段は花器として用いられないものに水を張り、花を生けるだけで意外にどんなものでも花器として使用することができる。器自体が華やかで存在感のあるものが多く、装飾品として飾られることも多い九谷の作品だが、用いることで引き立つこともあるのだ。 散歩するのが気持ちいいこの季節。ぶらりと歩きながら可愛い野の花を愛でたり、持ち帰って小さな花器に生けるのも楽しい。普段の生活に潤いをと、ちょっと目先を変えたギャラリー側からの提案だ。 |
九印ファブリックプロダクト/進化とルーツを学ぶ2004年4月3日(土)〜5月5日(水) コニーズアイ(石川県金沢市)
九印(きゅうじるし)とは、瀬戸けいた、なおよ夫妻によるプロダクトデザインのブランド名のこと。『進化とルーツ』をコンセプトに制作される九印の作品は、生物をモチーフとしており、そのユニークな形状を利用して、面白い道具となって生まれ変わっている。 家を守ってくれるヤモリから生まれた「ヤモリマグネット」は、長い手足で自由にポーズを変え、冷蔵庫やカバンにぴったりと貼り付く。内側にふかふかの毛を備えた「ラグラ」は奇妙な形の敷物で、リバーシブルになっておりどんな季節でも使用できる。脱皮や毛の生え替わりによって環境に適応する生物の姿がヒントとなったという。「チェアイーター」は、4本足のダイニングチェアならほとんどのものを飲み込んで、傷や汚れから椅子を守る。 思わず手に取って遊んでしまうのが、九印トイシステムの1つ「M.O.C system」。生物のパーツを組み合わせて作るヌイグルミのブロックトイで、手足やしっぽ、つの等のパーツを9つあるボタンに掛け合わせて、オリジナルクリーチャーを作ろうというもの。簡単な作業で次々と新しい生物を作っていき、子供たちが楽しみながら独創性を育くんでいくことができるアイテムだ。 九印では、「わたしたちはどこからきて、どこへいくのか」といった疑問を、ものづくりの立場で考え、制作過程で新たに学びながら作品を作り出しているという。決して行き着くことのない追究だが、そこから生まれ進化していく作品は、意外なデザインで奇抜な使い方を提案してくれる。 コニーズアイ TEL:(076)239-1818 |
山本勇個展2004年4月2日(金)〜4月14日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)
昨年訪れたイタリアの風景を描いた作品展。水彩画は山本勇にとっても新たな試みだ。どこをとっても絵になるイタリアの風景だが、スケッチしてきた古都の風景をいくつか重ねて構成し、さらに趣のある画面に仕上げている。水辺の風景では、水面に映る建物の色や水の流れを感じさせてくれるような抒情的で旅情を誘う作品に仕上げている。丁寧に描かれたどの作品からも山本の人柄を表すような優しさが伝わってくるようだ。
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松尾峰昇個展2004年4月2日(金)〜4月13日(火) ひろた美術画廊ANNEX(石川県金沢市)
スイッチやダイヤルといった機械が組み合わされ、新しい世界を形成している。ロボットというにはどこかアナログ的な部分もあり不釣合いな感じもする。可愛いくもありどこかドキッとさせられるが、有機物と無機物という相反するものを組み合わせ、どこか人肌を感じられるような擬人化されたものを狙ったいう。作者である松尾峰昇のキャラクターも手伝ってか、そこに暗さや重さといったものは感じられない。鮮やかな檸檬色が際立つ「檸檬」やキュートな「犬」、憎めない表情が面白い「vocoder」と、ここでは3点だけの紹介だが、会場には電車や機械といった男の子なら誰しも一度は興味を持ったであろうものをモチーフにした作品が展示されている。 |
株田昌彦 油絵展2004年3月26日(金)〜4月4日(日) ギャラリー萩(石川県加賀市)
工場と鯨という組み合わせが異様な雰囲気でありながら現実味をおびた気配すら感じさせる。それは実際にものを見て描くという作業の賜物である。想像のものばかり描くのではなく、合間に花や静物を描いてリアリティーを身につける。「永久機関」のような生物と人工物の組み合わせに取り組み始めたのは1999年。子供の頃好きだった「宇宙戦艦ヤマト」から船体や工場などのイメージを膨らませ、自分らしい作品を追求する中で生まれたものだ。 今回は大作から小品まで32点。想像物で構成された作品と実際に見て描いた作品との対比が興味深い。また、背景にこだわった実験的な作品も見られ、おがくずや麻布を使用したものや写真を転写させたものなど表現を模索している。いずれも緻密にそして実に丁寧に描かれた作品を見れば、作家の実直さと絵画に対する真摯な態度がうかがえる。 株田昌彦は1976年加賀市出身。画家である祖父の影響を受け、自らも画家を目指した。筑波大学芸術専門学群洋画コースを卒業後、同大学芸術研究科美術を修了。現在は同大学博士課程人間総合科学研究科に編入学し、制作活動に励む。ニ紀展や石川県現代美術展への出品も欠かさず、とにかく描くことを続けたいと話してくれた。 |
田聡美作品展 空ニ浮キ 雲ニ沈ム2004年3月21日(日)〜3月28日(日) space庭/すいせい(石川県金沢市)
面白い作品を見た。「空ニ浮キ 雲ニ沈ム」や「双」のように金属とガラスを組み合わせた造形作品。複雑に絡み合いながらタワーのように伸びる金属に挟まれたガラスの雲。金属はその1本がなくなれば今にも崩れてしまいそうな不安定なバランスを保ちながら、ガラスの上に乗っている。鋳物という重量感のあるものと透き通るガラスの軽快感あるものとの組み合わせが想像力を掻き立てるような作品となっている。このほか鋳物の花器やライトなど、鋳物の可能性を広げてくれそうな作品が会場である和室に並んだ。 |
山口善生作陶展2004年3月18日(木)〜3月30日(火) ギャラリー千代堂(石川県松任市)
余裕すら感じられる作品からもっと年配の方を想像していたが、実際は昭和50年生まれとずいぶん若い。作陶歴6年と短いが、陶芸にかける情熱は半端ではない。山口善生は、そのほとんどの技術を独学で習得し、こだわりをもった制作を行っている。
土は医王山のものを自ら採掘し、織部の作品に見られるような深い緑の釉薬も手作り。窯も自分で作ってしまった。当初は大変なことを始めてしまったと思った。それまで全く関係のなかった陶芸の世界に入ったのは、大工だった父親が収集していたやきものを見てから。本物の凄さに圧倒された。 |
桐沢仁美 「光の種」展2004年3月18日(木)〜3月28日(日) インフォーム・ギャラリー(石川県金沢市)
昨年の「となみ野美術展2003」で大賞を受賞した桐沢仁美の個展。金沢では3回目となる。 手のひらをあわせると光の種が生まれる メッセージからは、作品に強い精神性を求める作家の思いが伺える。光が覆い尽くす世界で雨が降り注ぐ様子を連想させる作品は、静かな存在感を発揮し、辺りを穏やかで崇高な空間へと変えていくようだ。白を基調とし、繊細な色調で描かれた作品からは、神々しささえ感じられ、観る者をどこか別世界へといざなう。 桐沢は「光の種」をどこに飾るのかと聞かれ、「末期を迎えるサナトリウム」と答えたという。死の先を見通し、その向こう側にある永遠に続く静寂が、作家の求めて止まない世界なのだろうか。 1984年、東京学芸大学大学院修了。今年、砺波市美術館(富山県)の企画展「第7回至高の精神展」で紹介作家に選ばれている。 インフォーム・ギャラリー TEL:(076)221-1722 |
坂口國男 退官記念展2004年3月20日(土)〜3月28日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)
1988年に着任してから16年、金沢美術工芸大学美術科油画専攻の坂口國男教授がこの春退官する。本展では金沢で制作された作品約50点を展示し、これまでの画業を振り返ることができる。
退官後は画家としてはゆっくりと制作活動を行っていきたいという。しかし、来年の秋には東京での個展も控えており、作品に取り掛からなくてはならない。現在ジェイアール名古屋タカシマヤで開催されている、新世紀を拓く現代日本の作家たちによる「日本画対洋画」展に坂口の作品も発表されている。この展覧会は、4月3日(土)〜5月9日(日)まで砺波市美術館でも開催される。 |
「英国便り」若菜素子陶展2004年3月19日(金)〜3月31日(水) グリーンアーツギャラリー(石川県金沢市)
17世紀のイギリスにおいて盛んに作られた日用雑器であるスリップウェアは、白化粧土などで装飾を施し、低温で焼成する伝統的なやきもの。工業化の波に押され、いったんはその姿を消したものの、柳宗悦らの民藝運動によって再注目されるようになった。そんな歴史に興味を抱き渡英したのは若菜素子。渡英から5年目の個展である。 |