棚瀬亮 木展2004年6月25日(金)〜6月27日(日) ギャラリー花音(石川県金沢市)
木が本来もっている魅力を感じることができる、そんな木工作品を紹介する展覧会。個展を開くのは初めてということで、展示には卒業制作も加わり、家具から小物までそれぞれ雰囲気の違う作品が並んだ。
様々な材質の木を使いデザインも色々だが、一つ共通しているのは、木そのものを生かして、その風合いを大切にしていること。彩色を施さない机や椅子は、使い込んで年月を経ることで、木の温かみが実感できるようになるという。異なる木を組み合わせた作品もまた、自然な木の色合いが独特の表情を見せている。 棚瀬亮は、1998年に国立高岡短期大学産業造形学科を卒業。家具工房にて製作スタッフとして勤めた後、2002年、出身地である岐阜県に工房を構えた。2000年に参加したスウェーデンのサマーコースの経験からは、使う人の側に立って制作することを学んだ。現在の北欧をイメージさせるシンプルな作品には、今後、日本らしさを重ねていきたいと話してくれた。 ギャラリー花音 TEL:(076)244-5186 |
陶房 独歩炎 作陶展2004年6月17日(木)〜6月22日(火) ギャラリーノア(石川県松任市)
陶磁器のデザインメーカーでプロダクトデザインを手掛けていた藤井博文、幸江による展覧会。愛知県の瀬戸を拠点に活動をしていた2人は、2年前、博文の故郷である能登島に工房を移した。海と山に恵まれた環境で制作もはかどり、今回、金沢では初めてとなる作陶展を開いた。 藤井博文は、土物の重量感を生かした1mほどもある大作から、見た目からは想像できないほど軽く持ちやすい普段使いの食器まで幅広く展示した。大きな花器は細かく描かれたモザイク模様が、陶器のイメージを変え新鮮な印象を与える。使い勝手を徹底して追求した食器は、ちょっとしたところの機能性に優れ、デザインだけでは語れない良さが詰まっている。 横浜生まれの藤井幸江は、自身の雰囲気を映すさわやかな色合いの青白磁を扱う。土物から青白磁に変えたのは4年前で、粘り気の少ない粘土に始めはとまどいながら、ようやく思い通りに作れるようになったという。青白磁ならではの色合いが流麗な曲線を描いた器の形状と重なり、器を上品に印象付けている。 イメージの違う二人の作品は、一つの場所に展示することで、各々の個性を際立たせて見せている。それぞれの観点から器としての機能をデザインに写した、その違いを楽しみたい。 ギャラリーノア TEL:(076)276-4486 |
墨と木と土2004年6月12日(土)〜6月20日(日) G-WING'Sギャラリー(石川県金沢市)
墨象家の荻野丹雪、工芸家の熊野清貴、陶芸家の武田浪というジャンルの異なる作家3名がコラボレーションした展覧会。今回3人を結びつけたのは武田。個展をするにはちょっと広すぎる会場に、顔見知りであった荻野と熊野を巻き込んで3人展にしようという提案から始まった。 墨と木と土それぞれの魅力を楽しめる展覧会。3人とも今回のコラボレーションが気に入ったらしく、早くも次回の企画を計画中だとか。 |
草間彌生展2004年6月5日(土)〜2004年6月20日(土) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)
国内ばかりでなく海外でも高い評価を受け、まさに旬の人といってもいいであろうアーティスト・草間彌生。現在新作を含めた展覧会を開催しているほか、今秋開館の21世紀美術館にも収蔵されるとあって、開館前に約30点の作品を見ることができる今回の展覧会に期待も高まる。 繰り返される水玉で描いた草間お気に入りの南瓜や果物、線や点で表現された銅板画、フランス・リモージュ製の陶器の南瓜やブロンズの南瓜といった立体作品。「ミラーボックス」と題された箱は、覗くとどこまでも続く無数の銀の玉が見えるオブジェ。どの作品も鮮烈な印象を与え、草間自身の強烈な個性とあいまって独特の世界を作り上げている。
草間彌生は1929年長野県松本市出身。12歳ごろより幻覚や幻聴を体験し、その体験を絵として表現するようになる。1954年東京での個展で瀧口修造の目に止まり、アメリカで開催された国際水彩ビエンナーレ出品のきっかけとなった。1957年の渡米以降、数々の作品を発表し、注目を集めるようになる。1993年には第33回ヴェネツィアビエンナーレの日本代表として参加するなど世界的評価が高まる。アーティストとしてだけでなく、荒木経惟とのフォト・コラボレーション、村上龍原作監督の映画「トパーズ」に出演、ミュージシャンピーター・ガブリエル、ファッション・デザイナー三宅一生とのコラボレーションなど、美術以外でも多彩に活躍している。 |
「ビューティフル・アーティスト」展2004年5月14日(土)〜2005年3月 市内各地(石川県金沢市)
昨年の「第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ」出展作家に選ばれた曽根裕が、2001年から始めた「ビューティフル・アーティスト」展。ロサンゼルスにある曽根のスタジオで行われた展覧会が、アメリカから日本に渡り、現在、金沢で開催されている。作家個人のスタジオを貸りて展示し、場所を変え巡回する。場所が移るたびに新しいアーティストの作品が一つずつ加えられていくという形式だ。アメリカではニューヨークをはじめ各都市のスタジオ10ヶ所を巡回した。 ニューヨークで起った〈9.11〉がきっかけとなり企画された展覧会には、「作品を通して、もっと大きなコミュニケーションがある」という曽根の思いが込められている。作家同士のつながりによって引き継がれるこの巡回展は、〈9.11〉の後、人々が無力感に戸惑った中で、身近にいる友人とのコミュニケーションを呼びかけた曽根の発想で生み出された。 「ビューティフル・アーティスト」展は、2003年にアメリカから山口市へ渡り、1年をかけて6ヶ所を巡回した。金沢では2004年5月から、金沢美大出身亀井岳の「BABA」荘が第1回目の会場となって始まり、来年3月まで巡回する。亀井は、〈9.11〉から2ヶ月後のアメリカで飛行機内の様子を撮影した映像作品「in the airplane immediately after 9.11」を展示に加えた。 巡回時期、参加者は以下。 |
つづりな窯'04初夏/花の山から白の新作2004年5月5日(土)〜6月30日(水) コニーズアイ(石川県金沢市)
金沢市北部の小高い山に工房と住居を構える、徳田年英が初めて開く個展。前職を退き、'94年12月に隣家まで500mもあるという集落に移って「つづりな窯」を開窯した。工房のある山は四季を通して美しい花々が咲き、最高の環境で取り組む10年目の作品が展示されている。 主に作るのは、器や鉢といった普段使いの実用食器。使い易く、飽きのこない食器であることを基本にしているが、展示されているものを見ると、ごつごつと土の風合いがあるユニークな形状の器が多い。器の形と土の持つ雰囲気にこだわった作品は、手作りの「穴窯(あながま)」を使って、3昼夜かけ焼成している。一度の焼成に赤松の薪を7〜8トンも使用するため、「穴窯」を使うのは、年に1〜2回が限度だという。それだけに、「穴窯」を使った作品には思い入れがあり、展示作品でも半数を占めている。 口伝えに広まって、結婚式の引出物などを頼まれることも多くなっているというが、器の形、雰囲気など、注文者と相談しながら作っていくことも楽しんでいる様子。これから先、工房近くに店舗兼用のギャラリーを構え、気軽に立ち寄ってもらえるような工房にしていきたいと話してくれた。 コニーズアイ TEL:(076)239-1818 |
第17回二俣紙すきの里まつり2004年6月2日(水)〜6月6日(日) 金沢市二俣町
町内6会場を中心に和紙にまつわる様々なイベントが開催されている金沢市二俣町。 蓮如上人ゆかりの寺である本泉寺では、地元の和紙作家・小松秀雄の作品や小松の漉いた和紙を利用した作品を展示。和紙を漆で塗り固めた工芸品やこより状にして編みこんだ作品など、和紙の魅力に溢れている。また夕方から寺全体をライトアップ。5日(土)は映画が上映され、映画の帰りは和紙で作った行燈が足元を照らしてくれるという趣向も用意されている。 このほか改善センターでは、和紙作家・斉藤博の作品や陶芸、ガラス、木工作品など里山の作家達による作品展。古里館では地元のおばあちゃんたちの指導による紙すき体験。小松和紙工房では紙に関する資料を展示し、和紙の古文書を展示する山田邸では明るいおばあちゃんたちがもてなしてくれる。二俣和紙の歴史を学びながら、地元の人々と交流できる温かいまつりである。 紙の里まつり実行委員会 TEL:(076)236-1233 |
第35回日展金沢展2004年5月22日(土)〜6月13日(日) 石川県立美術館(石川県金沢市)
明治以来の長い伝統を持ち、作家層の厚さを誇る日展は、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の各分野を網羅した、国内最大の総合美術展として知られている。明治40年の「第1回文展(文部省第1回美術展覧会)」に始まり、「帝展(帝国美術院展覧会)」、新「文展」を経て戦後「日本美術展覧会」と改称。社団法人「日展」と改組した後、今回で35回の開催となる。金沢展は2年に一度開かれるため、今回は18回目。 東京本展の力作の中から日本芸術院会員、日展理事、評議員、会員の習作と、内閣総理大臣賞、日展会員賞、特選などの受賞作品約300点を選抜し、そこに石川県関係109人の入選作品を含めた、約420点を展示している。また、今回石川県の新入選者数は12人。 石川県立美術館 |
翠 〜梅雨めくころ〜2004年5月29日(土)〜6月29日(火) 茶房古九谷ギャラリー(石川県加賀市)
新緑をあらわし、この時季を表現するにふさわしい日本の色彩名「翠」。緑を楽しみながらゆったりとした時間を過ごしてほしいというギャラリー側の提案に応じた21名の作家が、口の付いた形状をもつ「注ぎ器」をテーマに持ち寄った作品63点を紹介している。
注ぎ器は注ぐのに適した形の器のことで、徳利や汁注ぎ、しょう油差し、水差し、銚子、片口、急須、水滴など幅広い。主に汁ものを入れることが前提となっている注ぎ器だが、使い方次第で様々な用途に対応する。例えば片口は煮物を汁とともに盛り付けることが可能。口がついているため、取り分ける際にはおたまで汁をすくう必要がない。また、書をたしなむ人が使用する水滴は、小さいながらも美しい彩色がなされており芸術的なものとしても楽しめる。 |
オガワカズミ展2004年5月22日(土)〜5月31日(月) Budsbuzz(石川県金沢市)
オガワカズミと陶との出会いは運命的だ。短大時代にグラフィックアートを学び、卒業後、就職するが体調を崩して退職。そんな時に上絵を学び、1997年に「遊工房」で本格的に陶芸を始める。2001年にはアトリエ「one-B,workshop」が完成し独立した。会社をやめていなければ現在のオガワの姿はないだろう。自分の分岐点を振り返りながらオガワは笑う。
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