北ヨシアキ写真展 パリの女友達

2004年7月9日(金)〜7月20日(火) ひろた美術画廊ANNEX(石川県金沢市)

エッフェル塔やノートルダム寺院といった名所を前に、ありのままをさらけ出すパリジェンヌたちは、同年代の日本人よりずいぶん大人びて見える。ヌードでありながら、全くいやらしさを感じさせないのは、惜しげもなくさらけ出す彼女たちの健康的な裸体と、強い意思を秘めたまっすぐな瞳が印象的だからかもしれない。北ヨシアキはパリの街並みをバックに、18歳から24歳までのパリジェンヌ15名を撮影し、その美を追求している。

また、写真とともに、各モデルのプロフィールと日本についての印象を記述したメッセージが添えられ、より彼女らを身近に感じられる写真展となった。

北ヨシアキは昭和31年石川県出身。昭和50年に千代田写真学園芸術学科に入学し、52年からはフリーカメラマンとして雑誌グラビアを撮影。54年に渡仏し、パリを拠点として活躍している。

ひろた美術画廊ANNEX TEL:(076)240-0007


崎高嗣 個展

2004年7月9日(金)〜7月21日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

「わが家の牡丹(P8)」と崎高嗣
「新緑のモレー」平形30

美しい女性像、外国の風景、薔薇といったモチーフを描き続けてきた崎高嗣。恒例となった個展も今年で6回目を迎え、今回は新たな試みも見られる。

「日差し」をテーマにした今展では、精緻な描写で描かれた瑞々しさ溢れる若い女性像や、乾いた空気感が感じられるフランスの風景、気品あふれる薔薇の花をモチーフに、差し込む微妙な光も表現している。几帳面な性格なのだろう。細部にわたって神経が注がれ、手抜きは一切見られない。

「装う」P15

今回は輪島の田園風景や庭に咲く牡丹など、はじめて描いたという作品も出展されている。これまでのモチーフとは全く異なるものを出品するとあって、恥ずかしい気持ちもあったと言うが、周囲の評判は上々だ。描きこみたい気持ちをぐっとこらえて完成された作品も丁度よい具合にまとまり、「描きこまない勇気も必要ですね。」と苦笑い。今後は郷愁を誘う能登の何気ない風景に挑戦したいと意欲を見せ、新たな可能性を発見できた個展となったようだ。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


日本の手ぬぐい展/現代に生きる職人芸

2004年7月4日(日)〜7月28日(水) コニーズアイ(石川県金沢市)

季節のモチーフが使われている
「かまわぬ」の団扇
間塚康代の作品
「かまわぬ」のカタログもある

東京の手ぬぐい専門店「かまわぬ」が取り扱う手ぬぐいを中心に、同じく「かまわぬ」の団扇や金沢在住のアーティスト間塚康代が手掛ける手ぬぐいを紹介する。

古くから職人の手によって作られてきた手ぬぐい。一尺三尺、およそ33×90センチで作られ、染め物のために色落ちはあるが、使うほどに柔らかくなり風合いが増していく。乾きが早く、また、ホコリがたまらず衛生的な点が、高温多湿の日本において長く使われる大きな利点となっている。

古典的な手ぬぐい柄をはじめ、すみれ、南天、トンボ、金魚といった季節を感じさせる新しい柄、間塚がシルクスクリーンで挑戦したオリジナル手ぬぐいと色とりどりに並び、来訪者を楽しませてくれる。

コニーズアイ TEL:(076)239-1818


夏なつ展

2004年7月9日(金)〜7月15日(木) G-WING'Sギャラリー(石川県金沢市)

安土忠久「へちかんだグラス」

蒸し暑さを吹き飛ばし、涼しさを演出してくれる染物とガラスの展覧会。

中村清人は天然染料を使った暖簾やタピストリー、テーブルセンターなど涼しげな素材と藍色を中心に、柿渋や山桃など自然の恵みから染め上げた染物を出品。一方、妻である中村訓子は、バッグやスカーフ、500年〜2000年前のトンボ玉を利用したアクセサリーなど、女性らしく細やかな手作業が光る作品を出品している。中村清人は1955年北海道出身。中村訓子は1954年福島県出身。1979年に結婚し、1984年から伊那市下小沢に染織工房を構える。

中村清人「のれん」 中村訓子のバッグも

安土忠久のガラスは、たくましいという言葉が似合う。厚みのあるぽってりとした姿は、飛騨高山の方言で「ゆがんだ」の意味をもつ「へちかんだ」と表現され、そのユニークな形に思わず顔もほころぶ。丁度よい具合に手に馴染み、歪んだ形もご愛嬌だ。安土忠久は1948年飛騨高山出身。1978年に倉敷ガラスの小谷真三氏から吹きガラスの手ほどきを受け、独学でガラス窯を築く。1983年から全国各地をはじめ、ニューヨーク、デンマークで個展を開催している。

G-WING'Sギャラリー TEL:(076)238-0788


瑠璃 〜青葉のころ〜

2004年7月1日(木)〜7月29日(木) 茶房古九谷ギャラリー(石川県加賀市)

石川県立九谷焼美術館の中庭に茂るシンボルツリーの柏の木。古来より柏の葉は、神に供物を捧げるための皿替わりに使用され、器とは縁のある植物である。空梅雨の青空に向かって伸びる柏の葉に、古き時代へ思いをはせ、6寸・7寸の皿をテーマに九谷の作品を集めた。

今回は22名の作家に制作を依頼。6寸・7寸と馴染みのない表現だが、現在の大きさでは約18cm〜約21cm。日常でも使用される頻度が多いサイズである。華やかな絵柄のものは飾り皿にして愛でてみたり、白身魚の薄造りなどを散らして、透けた絵柄を楽しむのもいい。丸皿、角皿、鉢といった実用的な形や、遊び心溢れる盛り皿など個性豊かな中皿は、これまで抱いていた「九谷焼=大皿」というイメージを覆す。作家のイメージがこの中皿の中で広がり、形となる様は絵画と似ているようだ。

この季節なら、いつもはガラスの器に盛り付ける冷たい素麺も九谷の器に盛り付けると違った表情を見せるだろう。また、パスタやカレーを盛り付けたり、朝食のパンやデザートをのせたりとその用途は無限大だ。五彩で彩られた九谷の皿なら、1枚でも主役級の存在感。そして和洋を問わず、何枚あっても頼りになるのがこのサイズの魅力である。

茶房古九谷ギャラリー  TEL:(0761)72-6366


酒井安子展 金沢に於ける書の景色

2004年6月26日(土)〜7月4日(日) ギャラリー那珂(石川県金沢市)

書家・酒井安子

60mもの紙に勢いよく流れ落ちる墨色の滝。壁面を囲む水の流れ。水に囲まれたこの空間は涼やかな別世界。会場を埋め尽くす作品は、豪快な作品が好きだという酒井安子そのものを表しているかのように思える。会場にあわせた作品を制作する酒井であるが、この会場に入った瞬間に今回のテーマ「滝を囲む自然」が浮かんだという。豪快な筆さばきで描かれた水の流れに囲まれた和の空間と頭に浮かんだ言葉や文字を表現した作品を並べた空間に分け、前衛書の世界を楽しむことができる。

自然現象や頭の中に浮かんだことを作品にすることが多い酒井であるが、今回の滝については、輪廻転生をイメージしたからだという。水は流れて、やがて水蒸気となって天へ戻り、雨となって地上に降り注ぐ。その水の流れに癒されてくれれば・・・という酒井の願いが作品に込められ、豪快に降り注ぐ滝の音や水面の表情が浮かんでくるような和みの空間となっている。

書というと堅いイメージで捉えがちだが、実はとても自由に鑑賞してもいいものらしい。自由な発想で作品を作っているのだから、感じ方も様々なのは当然のことよ、と酒井は笑う。酒井安子は富山県小矢部市在住。書歴42年、パワー溢れる女流書家である。

ギャラリー那珂 TEL:(076)260-4115


水友会洋画展

2004年6月25日(金)〜7月6日(水) ひろた美術画廊ANNEX(石川県金沢市)

情緒溢れる小品も

県内一の大所帯であり、写実の美で定評のある一水会所属の委員、会員、会友9名からなる水友会。年に一度行ってきた洋画展は29回目を迎え、各自が持ち寄った大作1点と小品2点、あわせて27点の作品が絵画ファンを魅了している。

安定感のある風景画は鑑賞する者にとっても居心地がよく、嬉しいものだ。対象物を捉えたときの感動や想いがストレートに表現され、ことさら説明はいらない。大作では構図の妙を楽しめ、小品では緻密な描写が光る。一水会を支えるひとつとして歩んできた活動の成果なのであろう、丁寧ながらも個性豊かに表現される作品群に甘さは全く感じられない。

出品者は、荒木幸子、江守マリ子、北清志、杉村雄二郎、高木利一、政木良一、松浦欽子、松下久信、そして今年4月に亡くなった田中俊夫の遺作も展示されている。

ひろた美術画廊ANNEX TEL:(076)240-0007


小松精二・蔦健三・森脇位泰 水彩三人展

2004年6月25日(金)〜7月7日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

小松精二「白鳥路」F8
森脇位泰「東山(金沢)」F4
蔦健三「輪島 千枚田暮色」F7

日本画や油彩が広く親しまれている今日、水彩画で加賀・能登の風景を描こうという面白い試みの展覧会。キャリアも会派も異なる3人のベテラン作家が、それぞれの印象に残る郷土の風景を描いた。

小松精二は、見慣れた風景を表現することで、あらためて郷土の良さを実感したという。透明水彩を使用し、色を重ねることで深みが増すよう、丁寧に自然豊かな郷土の風景を描いた。森脇位泰も透明水彩を使用しているが、小松と異なったスケッチ風。さらさらっと流れるように描いた下絵が的確にその特徴を捉え、薄く重ねられた色彩が情緒豊かに彩る。蔦健三は前者2人とは異なる不透明水彩を使用。郷土の風景は何枚も描いているが、今回は能登を担当した。見るたびに印象を変える能登の風景を、初めて見る観光客のような気持ちになって描いたという。

同じ水彩でもそれぞれに色使いやタッチが違い、実に個性的。また、作家の眼を通して描かれた風景はどれも温かく、写真で見るのとは違う見方で楽しむことができる。こんなところもあったのかと、あらためて加賀・能登の良さに気付かされるのだ。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


ブルガリア現代版画展

2004年6月25日(金)〜7月6日(火) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

独特の風土と文化を育む東欧の国ブルガリアでは、近隣のポーランド、スロヴェキアとともに古くから版画が盛んに作られてきた。本展では、ブルガリアの若手作家たちの息吹溢れる作品を一堂に紹介する。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007

 


木村吉和洋画展

2004年6月24日(木)〜6月29日(火) ギャラリーノア(石川県松任市)

「白山早春」F6

木村吉和が一水会委員である寅若繁氏の指導のもと、洋画を始めたのは13年前。会場には白山やアルプスの山々を描いた風景画や季節の植物などを描いた静物画が26点と近年のテーマである能を描いた大作が2点。初めての個展にしては多めの28点が木村の意気込みを感じさせる。

木村の作風に変化が訪れたのは2000年。地元・鶴来の神社で見た能に深い感銘を受けた。それから何度か能を観る機会があり、能について調べるうちにその歴史の奥深さに惹かれたという。自らに能という難しいテーマを与え、奥深い世界とその感動を絵で表現できればというのが、木村の想いだ。

木村吉和と「能(半蔀)」F60 「増」F4

見る者の心の内を見透かすような能面の真っ直ぐな視線、静寂の中に張りつめた空気が漂う幽玄の世界。心和むような美しい風景や静物とは対照的な作品を見比べながら、木村が能に魅了されたのも分かるような気がしてくる。ますます深まっていく能への想いをテーマに、木村の作品がどのように変化していくのか注目したい。

ギャラリーノア TEL:(076)276-4486


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