小池優 水彩画展−春一番に吹く風は−2005年2月24日(木)〜3月8日(火) ギャラリーノア(石川県白山市)
まるで映画のワンシーンのような情景を描く水彩画家、小池優(こいけゆたか)の個展。花と緑が溢れる風景の中に、人が行き交う小道や橋、長年使われた家、立て掛けたばかりの自転車といった、人の息づかいが感じられるモチーフを描く。どこにでもあるひとコマが身近に感じられる作品。 朝の明るい木漏れ日が印象的な「散歩道の朝」は、加賀市山中温泉の渓谷に作られた遊歩道を描いたもの。散歩する人の姿が風景に溶け込み、爽やかなひとときを映し出す。窓辺に生けられたチューリップをモチーフにした「魅惑する花」は、薄い絵の具を何度も重ね、落ち着いた色調で描かれている。 勢い良く筆を走らせていた数年前までの作品は、明るい色で、モチーフを細部まで描いたものが多かったという。最近では、色を押さえ、深みのある雰囲気のものが多い。表現の可能性を模索しながら、描く作品は年々変化しているが、「人が見て気持ちの良い絵を描きたい」という気持ちは変わらない。 小池優は、1952年加賀市生まれ。ギャラリーノア(金沢)、加佐ノ岬倶楽部(加賀)で、定期的に個展を開催する。 ギャラリーノア TEL:(076)276-4486 |
百々俊雅 金沢を描く2005年2月25日(金)〜3月8日(火) ひろた美術画廊(石川県金沢市)
“後世に残したい金沢の百の風景”を描いた画集「金沢百景」の作家としても知られる日本画家の百々俊雅。新たに金沢を描いたパステル画19点を紹介する。“四季折々に美しい姿を見せる街”“どこに座っても絵になる街”と、作家が惚れ込んだ金沢を映す作品は来廊者を楽しませている。 「夏の浅の川」は流れるような筆づかいと、豪快な山並みの鮮やかさに目を奪われる作品。一つ一つ几帳面に描いた車や無数の屋根といった細部には、人々の息づかいが隠れている。画面中央、一面に広がる白い睡蓮の花を描いた「睡蓮と白鳥」は、首をピンと真っ直ぐに伸ばした白鳥の姿がユーモラス。「辰巳櫓跡」は、市内中心部を見渡す金沢城跡地で最も高い眺望台。何層にも積み上げられた石垣に雪が吹き付ける様子は、北陸の厳しい冬の凛然とした寒さを伝えているようだ。 紅葉の卯辰山から眺める金沢の家並みや、こぼれ落ちそうに実る沢山のりんごを抱えた大桑りんご園の木、天神橋を行き交う人の影といった金沢の日常風景から、咲き乱れる桜の後方に描かれた石川門、兼六園や成巽閣といった名所まで、愛情あふれる独特のタッチで、金沢の風と匂いを豊かに伝えている。 北陸の暗い空に気持ちがふさぎ込むという話をよく聞く。かつて大阪から金沢に移り住んだ作家は、暗い空にも北陸だから見ることができる美しい一瞬があると話す。一瞬を見逃さない作家の目を通して描かれた作品は、金沢に住む人でも知らない金沢の新しい一面を教えてくれる。 ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007 |
第1回九谷焼 徳田順子作陶展2005年2月25日(金)〜3月8日(火) ひろた美術画廊U(石川県金沢市)
九谷の五彩を使い、春爛漫とした明るい器を作る徳田順子の個展。季節の移り変わりや時の巡りをテーマに制作を続けてきた。気持ちの明るさを映した作品は、作風を選ばず、自由で奔放な感性に従いじつに多様だ。 桜と紅葉を重ね合わせ、若々しい色彩で構成した「茶碗」は、一見モダンな印象だが、技法は昔ながらのもの。日本的なモチーフを描いているが、おおらかな筆づかいが伝統に覆い被さり、強いイメージを残す。幼い頃から茶道を続けていたせいか、シンプルなものも好みだという。「青磁水指」や「練込壺」の静かな佇まいは、そんなところからきているのかもしれない。 壁に飾れるように額装した陶版の作品では、器で出来ない釉薬の素材感を試してみることが出来るという。新作「カワセミ」では、器の一片に満月の光の下でくつろぐカワセミの物語が描かれた。 作陶歴はおよそ18年。人間国宝である三代徳田八十吉の長女としての気負いは全くない様子。一人の陶芸家として活動を続けてきたことが、個性あふれる作品からも十分伝わってくる。 ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007 |
小野内俊夫−普段着の造形美−2005年2月10日(木)〜2月15日(火) ギャラリーノア(石川県白山市)
石川県では2回目となる小野内俊夫の作陶展。石川県立九谷焼技術研修所を卒業した後、九谷作家の松本佐一に師事。2003年に独立して、辰口町に工房を構えた。 すっきりとした造形に、ドットやラインのパターンで変化をつけた作品が目を引く。「ありそうでないものを作りたい」という言葉の通り、用途を明確にしたものは少ない。陶芸は使うものといった要素が強いが、使い方を考えなくても欲しくなるような魅力のある作品作りを目指している。 フタが付いたカップやボトルなど、ひと癖ある器が多い。立体としてのまとまり方に興味があり、つい作品にフタを付けて箱のような形になるのだという。作品名には、“ハコ”という言葉をよく使っている。一見すると四角いハコだが、よく見ると歪んだ微妙なカーブを描いている。そのいびつさのせいか、どこか親しみを感じさせる作品ばかりだ。 ギャラリーノア TEL:(076)276-4486 |
第一回南加賀造型美術展 白山会2005年2月3日(木)〜2月8日(火) 小松大和7階ホール(石川県小松市)
石川県南加賀地域在住の画家43名が、地域での研鑽の場を設けようと声を掛け合い「白山会」を立ち上げた。展覧会に合わせて制作した大作と小品約120点を展示する。 「白山会」の会員は以下。 小松大和7階ホール |
クリエイターによる灯り展2005年1月27日(木)〜2月8日(火) ギャラリーノア(石川県白山市)
様々な分野で活躍する9名の作家が、普段の活動から少し離れて“灯り”をテーマに制作した。作品は、照明としての機能を重視したというよりは、ホッと安らぐような部屋の雰囲気作りを考えたもの。それぞれの作家が提案する安らぎの空間を楽しむことができる。 数々のコンペに参加する建具職人の中岡敬雅は、ねじれ具合を調整することで形が変化する「ツイスト」を出品。和紙あかり作家の千綾真由美は、流木で骨組みをしたランプのシェード部分に、自ら手漉きした和紙を使用し、漆で加工した作品。鹿山栄子の作品は、ステンドグラスに描いたバラが光によって壁や床に映り込み、周囲を幻想的に彩るといったもの。松中祥子、松中明子の姉妹は、染色、手織りの役割分担で、自然の香りがする素朴なランプを制作。北岡哲は、魚や蟹、ミジンコといった水中の生き物をモチーフに、ブリキで作った作品を展示する。ブリキという冷たい素材を使っているが、お腹からもれる灯りは生命のぬくもりを感じさせる。 参加したのは北岡哲(ブリキ)、木下輝夫(木工)、沢田健勝(鉄)、鹿山栄子(ガラス)、千綾真由美(和紙)、中岡敬雅(建具)、松中明子(織り)、松中祥子(染色)、福島まゆみ(人形)。個性豊かな作家たちの“灯り”を紹介する ギャラリーノア TEL:(076)276-4486 |
土田佳代子水彩展2005年1月20日(木)〜1月25日(火) ギャラリー千代堂(石川県松任市)
一水会会員で松任市在住の画家、土田佳代子の個展。可憐な花々を描いた水彩画を紹介する。 土田佳代子が普段発表するのは油絵で、室内の静物をモチーフに構成した作品が多い。野に咲く草花をモチーフに水彩画を本格的に始めるようになったのは、10年ほど前からだ。出品した水彩画に野の花を描いたものは少ないが、人の手で育てられた繊細な草花の姿を、作家独特の優しい感性で表現している。これまで暗めの落ち着いた色調で、油絵に通じる作風が特徴だったというが、この個展では鮮やかな明るい作品を見ることができる。 水彩画の制作は屋外でのスケッチが中心となり、室内で制作する油絵とは対照的。室内で描いた作品の単調さと閉塞感をカバーすることもあって、スケッチをする中で身に付けた自然の色を油絵に取り入れるようになった。結果として、作品に変化と広がりが感じられるようになったという。水彩画の制作は、油絵の作品にも影響を与え、その制作にも欠かせない作業となっているようだ。 ギャラリー千代堂 TEL:(076)275-0305 |
新春企画 前田昌彦個展2005年1月7日(金)〜1月18日(火) ギャラリーノア(石川県松任市)
国画会会員で金沢美大教授、前田昌彦の個展。この2〜3年の間に制作した作品15点を紹介する。赤を基調とする抽象的な背景に、具象で静物を表現した作品が並ぶ。いつもは等身大の人間を描くことが多い画家だが、今回は静物のある室内をモチーフに、人の気配が感じられる作品を制作した。 閉塞感や行き詰まりから、極力色を抑えて表現した時期があったという。“赤”で表現するようになったのは、その反動のようだ。自分自身を鼓舞する色として、強烈な印象が残る“赤”を選んだ。沈んだ色調が画面を占めていた頃の作風を脱したいという思いから、積極的なイメージのある“赤”を使い始めた。“赤”の表現は3年ほど続いたが、新たに心境の変化があったのか、この個展では“赤”を抑えた淡い色調の近作を数点見ることができる。 また今回は、大学時代からの作品をファイルにまとめ、紹介している。ひとつの作風にこだわらずに制作してきたことを振り返って、改めて自分の作品が見えるようになったという。これまでの作風とその枠を明確にし、さらに充実させていきたいと話す。 ギャラリーノア TEL:(076)276-4486 |
アボリジニの世界 マイクル・クロナリス展2005年1月8日(土)〜1月18日(火) ひろた美術画廊U(石川県金沢市)
オーストラリア在住のアーティスト、マイクル・クロナリスの金沢では2回目となる個展。オーストラリアの先住民アボリジニの表現を取り入れた絵画30点を紹介する他、和紙などで作ったアクセサリーを展示する。 アボリジニである友人アーティストの作品と出会ったことで、独特な点と線の表現に影響を受けたのが3年程前。そこから、アボリジニの文化とその表現方法に興味を持つようになったという。展示した作品を見ると、アボリジニが木や布に描き残した絵から受けた影響が強く表れている。ヨーロッパ人が渡来する前からオーストラリア大陸に居住したアボリジニの絵に、モダンで抽象的な印象を受けたと話す。 全体のイメージはアボリジニの文化からの影響が強いが、細部には様々な国で使われる文様を組み合わせて用いた。日本のものや作家が生まれ育ったオーストラリア、作家の両親の祖国であるギリシャといった国々の文様が描かれている。 「生命の積木」は、細かな文様で人間の細胞の集まりをイメージした。アボリジニの言葉で“自分たち”を意味する作品「クーリー」では、人間の日々の営みを表現するなど、「生命の神秘」が大きなテーマとなっているようだ。 ひろた美術画廊U TEL:(076)240-0007 |
新春日本画三人展2005年1月7日(金)〜1月19日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)
金沢市在住の日本画家による三人展。円地朋子は人形や花、加戸ひとみは風景と静物、戸田博子は花をモチーフに、それぞれの個性あふれる作品を発表する。 いつもは人物が多いという円地朋子は、花や人形を描いた。人形は普段から好きで、小品ではよくモチーフにしている。今回は、ベネチアで購入した西洋人形を描いた作品を4点展示する。椿やポピーなどの花を描いた作品2点は、日本画の平坦な印象を感じさせない筆使いが特徴的。作家はガーベラなどの洋花を好み、椿の花も明るく淡い色調でまとめている。 また今回は、3人がそれぞれ、“掛け軸”の作品に取り組んだ。額装せず、日本画のパネルボードをそのまま軸装し、掛け軸として展示している。2〜3点ずつ制作した作品は、従来の掛け軸よりも気軽に飾ってほしいと話してくれた。 ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007 |
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