扇田克也ガラス小品展 HOUSE+2005年5月12日(木)〜5月17日(火) ギャラリー林檎舎(石川県金沢市)
石川県内灘町在住のガラス造形作家、扇田克也の個展。余分なデザインを削ぎ落とし、原形をシンプルに表現したガラス作品を発表する。 ガラスの壊れやすく繊細なイメージではなく、作品の印象は、どっしりと温かさと親しみを感じさせる。全体のコロンとした形と、サンドブレストで仕上げた表面のザラッとした質感は思わず手にとってみたくなる。石膏の型の中でガラスを溶かして作るキャスト技法で、型は使いまわすことができないため、作品には同じものがない。 大小さまざまな大きさで作られた「HOUSE」は、“家”の形をした作品。内部に光が溜まり、ほのかな灯りがもれる様子が印象的で、そこで暮らす人々の息づかいや温もりを連想させる。中には、ほとんど光を通さない黒や赤の色ガラスを使ったものもある。従来とは雰囲気の違う色ガラスの作品は、「ガラスらしくないガラスの新たな魅力」を引き出そうとするもの。「鋳玻璃器#2」は、アイスキャンドルを思わせる厚いガラスの花器。やはりガラスの中に光が留まり、花を浮かべた水の底から、温かな光の揺らめく様子が幻想的だ。 扇田克也は、1957年大阪府生まれ。金沢美大卒業後、東京ガラス工芸研究所でガラス技法を学ぶ。世界現代ガラス展受賞。作品は、金沢21世紀美術館をはじめ国内外の美術館に収集されている。 ギャラリー林檎舎 TEL:(076)268-8022 |
能登平則 個展2005年4月26日(火)〜5月1日(日) 浅の川画廊(石川県金沢市)
神話や万葉集が伝える、いにしえの人々の営みに焦点をあて、その心象風景を描く画家、能登平則の個展。奈良を中心に栄えた大和の国、その憧憬を感じさせる油絵作品を展示する。 真っ直ぐに1本伸びた道に、新しい道が交差してつながり、そこから村が生まれる様子を描いた「理(ことわり)」。「降臨」に描かれた白い三角は、神が降臨する山をイメージしたもの。持統天皇が小高い丘の上から、村の豊作を眺める様子を写した「煙りたなびく」など。国の起源、神々の姿、人々の暮らしなどを懐かしそうに表現している。また、大和三山(奈良盆地南部の畝傍山、耳成山、天香久山の総称)から受けた印象をもとに描いた、風景画も並ぶ。 油絵に日本画の顔料を混ぜ、マットで深みのある黒やブルーを表現。能登平則が作る色は、落ち着きと鮮やかさを併せ持ち、身近に神々の存在を感じていた古代の人々の物語をドラマチックに描き出す。 1943年、金沢生まれ。金沢美術工芸大学油画科を卒業。 浅の川画廊 TEL:(076)222-5043 |
夢幻の白 谷口亘作陶展2005年4月19日(火)〜5月1日(日) ぎゃらりい乃々(富山県高岡市)
陶芸家で、日本伝統工芸士でもある谷口亘の個展。白磁、青白磁の曲線美を生かし、花器や壺、器を制作する。 日本では、江戸時代に生まれた白磁。すっと細長く口が伸びた「白磁粋」は、優しい印象があるものの凛とした雰囲気の作品。小麦粉のような細粒子で作る白磁。細い口の先までロクロで成形するのには相当の技術が必要だという。造形そのものが究極の美、上絵などを施さない作品をこのように紹介する。 中国南栄北栄官窯の青磁に魅了され作った「泡粒青白磁一リン」は、小ぶりのかわいらしい2つの花器で、どんな所でも馴染みそうな温もりを感じさせる作品。白磁、青磁が並ぶ一角に置かれた茶色の作品は、“窯変茶痕釉”シリーズ。窓にしたたる水滴の流れをイメージし、1300度を越える高温焼成によって作られる。その他、香炉や飯碗、ぐい呑みなど、日常使いの器を並べる。 谷口亘は、1953年石川県小松市生まれ。九谷清吉窯でロクロを修行し、現在九谷ろくろ工房ワタルを構える。 ぎゃらりい乃々 TEL:(0766)26-1331 |
「めし碗」づくし 藤澤重夫展2005年4月9日(土)〜4月24日(日) 桃組+晴組(石川県金沢市)
加賀市に陶房“梅の木”を構える陶芸家、藤澤重夫の個展。「めし碗」とテーマを設け、上絵も形もさまざまに違う100点近い作品を紹介する。 わずかに歪んだカーブを描き、大きめの台付のある小ぶりな器を展示する。古典的な文様を思い切りの良い筆でイラストのように描いた作品は、全体にすっきりとした形のものが多く、使い勝手の良さそうなものばかり。展示のレイアウトには米を使い、ずらりと並ぶめし碗のアクセントになっている。 藤澤重夫は、陶芸を志して瀬戸、京都で修行を重ね、およそ30年前、加賀に辿り着いた。加賀の陶土を使いろくろを回すが、その成形技術は伝統が培った九谷焼のものとは違う。ろくろは蹴ロクロでもなければ、電動式のものでもなく手引きロクロ。右手でロクロを回すため、右手だけで土を触り、形作るのだという。めし碗の口の部分は、内側に巻いたり、または外側に反っていたりと、片手で作る絶妙な加減が作品に表れている。 桃組+晴組 TEL:(076)252-8093 |
益田恭行 個展2005年4月15日(金)〜4月26日(火) ひろた美術画廊ANNEX(石川県金沢市)
耳から聞こえる音楽や生活の音を視覚的に表現する画家、益田恭行の個展。アクリルを使った抽象画約20点を紹介する。 白を基調にした爽やかな雰囲気の作品が並ぶ。ジャズのトランペット奏者、チェット・べーカーの音楽を表現した「ムード」は、白い画面に黒やブルーが溶け込み、五線譜のようにも見える白いラインがリズミカルに描かれた作品。アクリルに大理石の粉末を混ぜて作る、細かい粒子の独特のマチエールが変化を与えている。ゴスペルなどの宗教音楽を聞いていて生まれた作品「謳歌-052」。大勢の人が集まって唱う宗教音楽は、一人ひとりの様々な想いと、それぞれの人生の重みが加わって、大きなエネルギーを感じさせる。中央には、白いエネルギーの塊のようなものが描かれている。白の優しい作品の他に、グリーンやオレンジで埋め尽くした鮮やかな小品も展示する。 眺めていると、次から次へと印象が変わっていく。作家は、作品と見る人との間に対話が生まれるような絵を描いていきたいと話す。一陽会所属、小松市作家協会会員。 ひろた美術画廊ANNEX TEL:(076)240-0007 |
山岸大成 個展2005年4月8日(金)〜4月19日(火) ひろた美術画廊U(石川県金沢市)
石川県寺井町在住の陶芸家、山岸大成の個展。 「白磁飛鳥」と銘打った直線的な造形作品をメインに、季節の風物を描いた花器、台鉢、水滴、香炉といった作品を紹介する。いずれも、白磁の白に鮮やかな色絵が引き立ち、全体に透明感を感じさせる爽やかな印象。暮らしに彩りを添える作品が並ぶ。 仏教美術が開花した飛鳥時代にインスピレーションを受けての作品「飛鳥」シリーズは、4年前から制作している。宝物等に印されたいにしえの華やかな文様を、独自のイメージで控えめに描く。ロクロを使わない繊細な作業で、優美な世界を作り出している。 山岸大成は、1956年寺井町生まれ。日展会員・審査員、現代工芸美術家協会評議員・審査員、石川県美術文化協会常任評議員、石川県陶芸協会理事、金沢美術工芸大学非常勤講師。 ひろた美術画廊U TEL:(076)240-0007 |
西眞紀子 油彩画展2005年4月8日(金)〜4月20日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)
女性の心の動きを繊細なタッチで描く洋画家、西眞紀子の個展。油彩画15点とアクリル画7点を展示する。 暗くシルエットのように女性を描いた作品「夢の途中」は、人物の表情を隠し、女性の気持ちを見る人の想像に委ねようとする意図で制作した。背景の柔らかい色彩が女性らしさを感じさせる。時間とともに移り変わる心の動きを表現した近作「刻のカ・ケ・ラ」は、明るい色面で構成し、女性の表情がわかるように描かれた。小品では、人形や猫、自身で大切に育てた花など、身の周りにあるお気に入りをモチーフに油彩、アクリルで描いている。 石川県美術文化協会会員、北陸二科同人、鶴来美術協会理事。 ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007 |
大場匠ガラス作品展2005年4月6日(水)〜4月12日(火) G-WING'Sギャラリー(石川県金沢市)
千葉県千倉町に工房を構えるガラス作家、大場匠の個展。自由に形を変えるガラスで、水の“潤い”を表現した作品約180点を展示する。 「ジュエリーフィッシュ」シリーズは、海の中で浮遊生活するクラゲをイメージして作った、水の揺らめきを感じさせる作品。「砂」と名前を付けられた作品群は、硅砂(けいさ)というガラスの主成分を吹き付ける技法で作る。細かな気泡が広がっているようにも見える作品は、海底を蹴った時の砂がゆっくりと舞い上がる瞬間を表現したという。 今回は植物のあるギャラリーの雰囲気を考え、緑を使った演出を試みている。くず餅や水菓子の柔らかさと透明感を出した定番の「水菓」をはじめ、光を溜め込み、うっすらと黄色味を帯びて発色する新作の「雨器」など、水と生命の存在を意識した作品が並ぶ。 大場匠は、1966年東京都生まれ。金沢市卯辰山工芸工房を修了した後、国際ガラス展、日本クラフト展など多数受賞する。 G-WING'Sギャラリー TEL:(076)238-0788 |
マル・丸・円〜陽春〜 丸文・形の器2005年3月26日(土)〜5月26日(木) 茶房古九谷ギャラリー(石川県加賀市)
2ヶ月に一度の展示替えで、テーマに合わせた企画展を開催する茶房古九谷ギャラリー。有名作家から若手まで、常時20名以上の作品を取り揃え、毎回工夫を凝らし九谷の新しい一面を紹介している。 4、5月のテーマは“まる”。丸の文様、丸の形、器など、これまでも使われてきた器の定番ともいえる要素が、現代九谷作家の新しい発想で表現される。球体の香合、徳利、ぐい呑み、鉢、皿など、出品作品の中には新作も多く含まれている。 浜谷信彦の「あふれるカタチの器」は、底が丸く高台のない小皿。成形の時に型からあふれた粘土をそのまま残して作ったという。ユニークなカタチの器に定評がある山下一三は、「ぐるぐる皿」。大きなうず巻模様を入れた比較的シンプルな丸皿だが、デザインにひらがなを取り入れるなど、控えめな上絵にインパクトがある作品。独自のブルーを使い、無数に湧き出る気泡のような丸を描いた薄憲夫の「銀彩丸文鉢」。小さな盃に、牡丹、唐子、手鞠、宝尽しの全てを描いた見附正康の「赤絵彩描丸紋絵刻盃」など、個性豊かな器が並ぶ。 茶房古九谷ギャラリー TEL:(0761)72-6366 |
北出博嗣と青泉窯展2005年4月1日(金)〜4月10日(日) ギャラリー萩(石川県加賀市)
加賀市の九谷焼作家、北出博嗣の個展。現代九谷焼の第一人者、北出不二雄の青泉窯を継ぐ五代目として伝統を受け継ぎながら、現代の生活に合ったシンプルな器を提案する。 すでに定番となった「赤絵銘々皿」は、デザインと使い勝手の良さが評判となり、あらゆる形の器にアレンジされて作られている。古典的な花鳥風月を描いた作品以外にも、祝紐をモチーフにしたモダンな文様を作ったり、デコラティブな書体で徳利に漢詩を書き込んだりと、独自のデザインを生かした作品が多い。染付けと上絵を組み合わせた「染付色絵帯文」は、さわやかな色合いも手伝って存在感のある作品となっている。 北出博嗣は慶応義塾大学院修士課程を修了し、エンジニアの道へと進むが、37歳の時に、そのキャリアを捨て、青泉窯を継ぐ決意をする。陶芸を志したのは18年前だ。窯を継ぐはずだった長男を41歳の若さで亡くした義父。「自分の代で絶えることがしのびない」義父の思いを汲んでのことだったという。以来、陶芸の修行と制作を続け、1996年に独立。北出の姓を受け、東京を中心に個展活動を行う。 ギャラリー萩 TEL:(0761)73-2714 |
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