堀口ケイ 個展

2005年7月1日(金)〜7月9日(土) G-WING'Sギャラリー(石川県金沢市)

「いつか青空へ」(左手前)
「雨に唄う」
「月から来た猫」
「星島の旅」

堀口ケイの絵画作品は、その一枚一枚の中にストーリーが広がっている。小さな画面の中でささやかな物語を紡ぎ、小さな小さな登場(人)物を丁寧に描き込む。海に浮かぶ小島とそこに建つ城、子どもたちが歌って笑う姿、空へと真っ直ぐに伸びる花など、描くモチーフは様々だが、空想的な童話の世界を印象づける作品約40点を展示する。

作品の中に、植物が数多く現れるようになったのは3年前。突如思いつき、向かったバリ島で運命を変える庭に出会ったという。植物たちの生命感あふれる姿やのびやかに葉を広げる様子など、すべてが美しく印象的で、その楽園に魅了された。寝ても覚めても目に浮かぶ幻想的な庭は、今回展示する作品にも描かれており、画家の感動を伝えている。

堀口ケイは、1963年群馬県生まれ。1984年に北関東造形美術専門学校を卒業後、マサチューセッツ大学に留学。現在は、東京や軽井沢などで個展を中心に活動する。金沢では、初めての個展となった。

G-WING'Sギャラリー TEL:(076)238-0788


高崎高嗣 個展

2005年7月8日(金)〜7月20日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

「爽風」(左手前)
「宮様の展望台(富来町関野鼻)」
「ユセのレストラン」

清楚に佇む若い女性をつややかに描き出す洋画家、高崎高嗣の個展。女性像の他、風景や卓上の花をモチーフにした作品19点を展示する。

会場では、大きな作品のためか女性の姿にまず目を引かれるが、今回の個展では、風景画に大きな変化があった。これまで描いてきたフランスの街並みから打って変わり、地元能登の風景が多くなっている。記憶のどこかにあった馴染みの風景が表出する。隙のない女性像とは違う、親しみが感じられる風景画が描かれた。

高崎高嗣は、1960年生まれ。日展、一水会、現代美術展などに入賞を重ね、現在一水会会友、日本美術家連盟会員。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


高木利一 洋画展

2005年6月24日(金)〜7月5日(火) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

「アラン爺さんの店」
「こぶし」
「待春」

移り変わる四季の美しさや、心に響く大地の雄大さといった自然観と向き合ってきた洋画家、高木利一。山の風景に惹かれ、足を向ける中で見つけた感動を作品にした。ほとんどの作品はその場で仕上げている。そこで受けた感動を、その場で描くことによって“自然に挑んでいる”のだという。

得意とする風景画を中心に作品23点を展示する。ひときわ目を引く100号の大作「アラン爺さんの店」は、以前に国際ボランティアとして1ヶ月間滞在したパキスタンでの経験から生まれた作品。題材を変えることで、これまでの優しい雰囲気のものから一転、新たな作風を模索しているようだ。

高木利一は、金沢市在住。一水会会友。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


箱庭 牛島孝

2005年6月23日(木)〜7月10日(日) インフォームギャラリー(石川県金沢市)

 
 
 

金沢美術工芸大学で日本画を学んだ牛島孝(うしじま こう)の個展。以前からテーマの一つとして取り組んできた“箱庭”。限られたスペースに、思い浮かぶイメージの断片を配置し、内在する風景を作り上げる。墨やアクリル絵の具、顔料などを使って描かれた作品は、余白が際立って見え、見る者に空虚な印象さえ与える。キャラクターを配した独特の世界は、空虚さの中で浮遊するような漠然とした不安を感じさせる。

牛島孝は、1980年横浜生まれ。「群馬青年ビエンナーレ’03」、「第2回一坪展」に入選。「HB FILE COMPETITION 2004」で大賞(副田高行賞)を受賞する。この後、7/4(月)〜7/16(土) にはgallery WALL (東京・南青山)にて個展を開催。

インフォームギャラリーでは企画展“箱庭”シリーズを展開。今回は、第一弾。主に平面作品に取り組む作家たちが、「箱庭」をテーマに制作した作品をそれぞれ紹介する。

インフォームギャラリー TEL:(076)221-1722


Kazuko Yamashita 夜のとばりがおりるころ展

2005年6月10日(金)〜7月10日(日) LIFE IS PEACHY(石川県金沢市)

「河北潟と内灘遠景」
「馬事公苑と水路」(左手前)
 

 

洋画家、山下和子がテーマとしているのは、「ものの存在のあやふやさとその不思議」。風景と向かい合う中で生まれたパステル画12点を展示する。普段の制作では油絵が中心。今回は、素早く仕上げることができるパステルで、昼と夜の境目のある一瞬を閉じ込めようと試みた。

少し車を走らせた郊外にある馬事公苑と水路、湾から望む海、潟で見た夕暮れの景色、“夜のとばりがおりるころ”いつもとは違う表情を見せる、水辺の風景を描いた。夕暮れの風景には、明と暗、力強さと儚さといった矛盾した要素が同時に存在するという。刻一刻と変わる空や雲の中にある様々な要素を、その場でひといきに閉じ込める。カメラでは捉えきれないものも、絵で表現することができると話す。その言葉の通り、揺れ動くあいまいな雰囲気が作品に表れている。

山下和子は2004年、金沢美術工芸大学博士課程修了。2003年トリエンナーレ神通峡美術展奨励賞、第88回二科展特選、2004年第60回記念現代美術展北國賞など受賞。

LIFE IS PEACHY TEL:(076)257-1116


ガラス二人展 片山由佳乃×早崎志保

2005年6月17日(金)〜6月26日(日) 小堀酒造萬歳楽本店(石川県白山市)

片山由佳乃「片口」
片山由佳乃「氷の片口」
早崎志保「景色窓の冷酒グラス」

早崎志保「雨あとの小鉢」

若手ガラス作家による2人展。流線的なラインでガラスの柔らかさを表現する片山由佳乃。すんなりときれいな形でまとめず、どこかクセのある器を作る。冷茶グラスやショットグラスなど、氷を浮かべるといつも以上にグラスに当たって小さな音がいくつも聞こえてきそうな作品だ。早崎志保は“景色”“色小石”“雨あと”などテーマを設けて展示。色ガラスで水彩画を描くように色をつけ、作品のイメージをどんどん広げる。

愛知教育大学総合造形ガラスコースで共に学んだ2人。片山由佳乃は、金沢卯辰山ガラス工房を修了し、現在、金沢で活動する。早崎志保は、アメリカでの留学を経て、富山ガラス工芸研究所研究科を卒業。現在は、愛知県で活動する。

小堀酒造萬歳楽本店 TEL:(0761)93-1180


「1900×2500」展

2005年6月17日(金)〜6月22日(水) グリーンアーツギャラリー(石川県金沢市)

大西佑治「遠のいていく風景」
佐藤仁敬「Hommage of S.Sekine」(左手前)、増谷幸恵「チャミゾール」(右奥)
大泉佳広「SEKAI CHIZU」

北本真隆「skin」(右手前)、山室淳平「不思議な場所」(左奥)

金沢美大大学院油画専攻の修士2年生と博士課程の8人によるグループ展。日頃の研究とその成果を発表したいという思いから開催された。展覧会のタイトル「1900×2500」は、ギャラリーのスペースを8等分した1人分の大きさ。平面にとどまらず、空間を生かした立体、オブジェの作品など、それぞれ個性的な作品が発表された。

中村景子「spectre 05-06」は、虹をモチーフに光のスペクトルを表現したもの。佐藤仁敬「Hommage of S.Sekine」は、洋画家関根正二へのオマージュ。大正期の画家が求めた精神世界に近づこうとする。映像と現実との間に生まれるギャップを描いた大西佑治「遠のいていく風景」。その息づかいまで伝わってきそうな坂元博人の「SILENT」。この展覧会では、絵画というジャンルの中で自己の表現を模索する、学生一人ひとりの姿を確認することができる。

グリーンアーツギャラリー TEL:(076)245-7222


岡重利 陶展

2005年6月16日(木)〜6月21日(火) ギャラリーノア(石川県白山市)

「片口」
青瓷「スープカップ」
紫紅瓷「台鉢」「壺」「輪花鉢」
米色瓷「五角皿」

陶芸家岡重利は、丸みを帯びた青磁の器を発表する。「コロンとした」親しみのある形を作るが、青磁がもつ凛とした印象はきちんと残し、独特の雰囲気を醸し出す。

“貫入(かんにゅう)”というひびの入った作品は、透明感のある表層に質の違う様々な模様が装飾されている。粘土と釉薬の収縮の違いから生まれるひびは、器の形に合わせた一定の流れを見せながら、幾重にも重なり、柔らかなイメージとなる。

今回は、紫色の新作“紫紅瓷(しこうじ)”を発表する。深みのある独特の紫色を透明感を生かしつつ作った。青磁の色で代表的な“青”の他にも、何種類かの色の器がある。様々な色を考案するのには、青磁で七色の器を作りたいという思いがあったから。青磁ならではの落ち着いた七色は、ほっとする安心感を与えてくれる。

岡重利は金沢美術工芸大学研究課程を修了。日本陶芸展、朝日陶芸展など入選を重ね、個展を中心に発表を続ける。現在、金沢市工芸協会評議員。

ギャラリーノア TEL:(076)276-4486


古澤洋子日本画展

2005年6月11日(土)〜6月19日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)

「新しい空へ」
「氷食(涸沢カール)」
「天に咲く」
「歴−住」

日本画家の古澤洋子が表現するのは、岩場や荒れ地で力強く咲く植物の生命力や、古い建造物が語る時の流れ、人々の営みの物語といったもの。今回の個展でも、厳しい状況の中で力強く生きる人間の姿、その生命力を表現しているが、多様な民族の共生を訴え、“調和”を象徴する円や丸の構図がより特徴的に描かれている。

メインとなる作品は、会場の一角を使い、L字に展開する横7.6メートルの大作「新しい空へ」。ダイナミックな構図と精緻な筆づかいで圧倒的な存在感を示す。そびえ立つように描かれた古い建造物の中に、キリスト教会とイスラムの礼拝所モスクを共存させた。一つの場所にあるはずのない2つの建物が存在することで、そこで身を寄せ合う母子の複雑な状況が浮き彫りになる。

これまでの俯瞰する作品と見比べて、作家の視線が下から空を仰ぐものへと変わっていることに気付く。現実を真っ直ぐに見つめた作品からは、一見、暗く沈んだ世界が見えてくるようだが、鑑賞者の視線を空へと導く作品は未来を連想させ、大きな希望を感じさせる。どの作品からも作家の強いメッセージがひしひしと伝わってくる。

古澤洋子は、1993年に金沢美術工芸大学大学院を修了。日春展、日展、現代美術展など入選を重ね、現在、日展会友。

美術サロンゆたか TEL:(076)232-1341


漆・二人展 榎木荘平(蒔絵)吉田宏之(塗)

2005年5月9日(木)〜5月14日(火) ギャラリーノア(石川県白山市)

吉田宏之「乾漆ぐいのみ」「欅盃」など
吉田宏之「ボウル」「乾漆片口」「ビアカップ」「布目盆」など
榎木荘平「風炉先 雪黙し」
榎木荘平「花王」(手前)

日本を代表する漆器として名高い、輪島塗。日展作家で蒔絵の榎木荘平と塗りの吉田宏之、2人の作品を展観する。輪島塗は木地、下地、塗り、ロイロ、蒔絵、沈金と、現在まで分業制が守られてきた。2人の作家は、それぞれの分野で家業を継ぎ、伝統を継承しつつも、現代の生活にあったものへと変化させ、個性的な輪島塗を作る。

榎木の蒔絵は、花びらやもみじ、イチョウの葉をモチーフに儚く散る草花の可憐な様子を、絢爛とした蒔絵の技法で表現する。吉田の塗りは、機能性に優れたデザインで、ぐい呑み、カップ、片口、弁当箱など日常に取り入れやすい器を提案。麻布を使った《脱乾漆》という技法では焼き物に似た歪みのある形で、手に馴染むデザインを考えた。

榎木荘平は、1952年生まれ。日本新工芸家連盟評議員、日展会友。吉田宏之は、1961年生まれ。伊丹国際クラフト展「酒器」入選、全国伝統工芸品公募展経済産業省製造産業局長賞受賞。

ギャラリーノア TEL:(076)276-4486



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