山村慎哉 漆展

2005年10月25日(火)〜11月3日(木) ギャラリー点(石川県金沢市)

 
「卵殻家形小箱“白の家”」
「唐草紋卵殻香合」
「変塗螺鈿変茶入」

手のひらサイズの凝縮された世界に、精緻な表現を展開する漆芸家、山村慎哉の個展。香合や茶入を中心とした作品15点を出品。

これまで作品の中心だった、かんざしやイヤリングなどの小型のオブジェ。香合や茶入といった“箱もの”は、およそ3年前から制作するようになった。目を凝らして覗き込んで見るような作品の印象は、そのまま変わっていない。金粉や卵殻、貝を使用した加飾による漆作品は計算された高度な技術をもって作られるのだが、作家が丁寧にひとつひとつを手掛けた作品からは、なによりも制作者の思いが伝わってくる。そこに置いて見ているだけで、その人の生活を豊かにするような作品を作っていきたいと話す。

山村慎哉は1960年、東京都生まれ。1986年、金沢美術工芸大学大学院を修了。現在、金沢美術工芸大学で助教授を務める。

ギャラリー点 TEL:(076)292-2140


ハシヅメミツコ 硝子展

2005年10月7日(金)〜10月13日(木) くらふと&ぎゃらりいOKURA(石川県金沢市)

 
「グラバル(キャンドルスタンド)」(奥)「ツィード」(手前)
「ピスタ(花入)」「キャトル(角七)」
「グラバル(キャンドルスタンド、鉢)」

温かみのある柔らかい色合いガラス作品を作るハシヅメミツコの個展。鉢や角皿、キャンドルスタンドなどを紹介する。

吹きガラスではなく、粘土と石膏で型を採って制作するパートドヴェールという技法。仕上がりの気泡の量を計算し、様々なガラス片を組み合わせひとつの作品が完成する。作品は、縫いつないだキルトのようなカラフルな作品やキャンバスに描いた抽象絵画を思わせる作品、粉雪を吹き付けたような線文の作品、と大きく3つのシリーズに分かれる。それぞれ個性的だが、そのひとつひとつを並び変えるだけで、作品の印象ががらりと変わることに驚く。普段に使う器も楽しんで使って欲しい、作家のそんな声が聞こえてきそうだ。

ハシヅメミツコは、卯辰山工芸工房ガラス工房を1993年に修了。1995年に独立し、金沢で工房を構える。

くらふと&ぎゃらりいOKURA TEL:(076)263-3062


石川一陽会委員・会員展

2005年10月7日(金)〜10月12日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

大場吉美「まばゆい」
柴山桂子「akaitori kotori」
西山恭申「ウインド」
竹田明男「MEMORY」

毎年恒例の一陽会委員・会員によるグループ展。今年で5回目となる。

エアスプレーで描く大場吉美は、人間の頭部をモチーフにした「まばゆい」を出品。キャンバスの上で絵の具を流しながら描くという野中未知子は「夢みるデラシネ(浮s草)」、ガラス絵の西山恭申は「ウインド」を出品。今年会員になった柴山桂子は、童謡をモチーフにした「akaitori kotori」。アクリル板を利用した作品は、同名の童謡の歌詞を取り込み、楽しみながら制作したという。参加者がそれぞれ大作1点と小品を出しあい、全27作品を展示している。

出品作家
和泉洸、入口ふじ子、浮田正樹、大場吉美、大鍬英治、酒井幸雄、柴山桂子、州崎幸七、竹田明男、中野久賀子、中本邦夫、西山恭申、野中未知子、野村秀久、判三教、安田淳

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


めし碗展

2005年9月29日(木)〜10月4日(火) ギャラリー林檎舎(石川県金沢市)

岩崎晴彦「魚紋」
竹内靖・智恵「唐子めし碗」
田辺京子の作品
村田菜穂美(めし碗、箸置き)、日高英夫(スプーン)

県内外で活躍する個性豊かな若手作家たちの展覧会。粉引きや染付け、色絵など、手法もその雰囲気も様々な作家たちの「めし碗」を紹介する。

古典文様を現代的な感性で描く萌窯の作品は、ご主人が成形、夫人が染付けを担当。完成した器からは、二人の息のあった制作の様子がうかがえる。岩崎晴彦の器は、ごつごつとした素朴な風合いとシンプルなスタイルを併せ持つ。魚を自由に泳がせた絵柄に遊びごころが見てとれる。田辺京子は古典柄をアレンジした独自の文様作品と、フキダシ付きのイラストを器全体に描いた作品が強烈な個性を放つ。子どものための器をつくる村田菜穂美は、毎日の食事が楽しくなるような動物のキャラクターたちを九谷の五彩で描いている。

主な出品作家
岩崎晴彦、萌窯(竹内靖・智恵)、村田菜穂美、北山裕、中村博光・多喜美、田辺京子、赤木明登ほか

ギャラリー林檎舎 TEL:(076)268-8022


西野健太郎 個展

2005年9月17日(土)〜9月25日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)

「Mother ocean2」
 
 

美しい自然と野生動物を精緻な描写で表現する、西野健太郎の個展。アメリカでの留学中に見た海と自然、そこで出会った動物たちをモチーフに、青を基調とした独自の世界を創りあげている。

“Mother ocean”シリーズは、海の世界で佇むホワイトタイガーを描いた作品。海から生まれた生命が、“母なる海”に帰る姿をイメージした。野生で生きる動物たちの表情も、ここでは穏やかで安らぎに満ちている。型紙を作り、その上からエアブラシで霧状のアクリル絵の具を何度も吹き付けて制作する。動物の様々な毛筋をエアブラシと筆を使って描き分け、子どもの毛の柔らかな感触も丁寧に表現する。動物画は、アメリカなどでは人物画や風景画と並び、ひとつのジャンルとして確立している。日本ではまだ馴染みが薄いが、強い動物が持っている優しさをこれからも描いていきたいと話す。

1980年、金沢市生まれ。金沢二水高校を卒業後、渡米。2003年、アカデミーオブアート大学(サンフランシスコ)卒業。金沢にアトリエを移し、国内をはじめアメリカ、オーストラリアで作品を発表する。

美術サロンゆたか TEL:(076)232-1341


oxydol&ハマヨスタジオ オープンアトリエ

2005年9月11日(日)〜9月18日(日) oxydol&ハマヨスタジオ(石川県金沢市)

山下和子作品(ハマヨスタジオ)
村住知也作品(oxydolスタジオ)
矢作隆一展(oxydolギャラリー)
金夏廷作品(oxydolスタジオ)

金沢美大出身の3人の若手作家が、金沢市大野町にある2つのアトリエを開放して行う展覧会。

山下和子が使用する「ハマヨスタジオ」では、油絵作品を展示。説明的な要素を除き、モノトーンに近い色使いで描いた抽象画は、人間の存在そのものを表現したという。6人が集合スタジオとして利用する「oxydolスタジオ」では、金夏廷と村住知也の2人が展示する。韓国出身の金夏廷は、幾何学の形状で凹凸がつけられた立方体の鋳造作品。村住知也は、シールやスプレー缶を使い、様々なものの組み合わせを楽しんだコラージュ作品を展示。アトリエがそのまま会場になったため、訪れた人とも打ち解けて話ができるという。その他、2つの個展「矢作隆一展〜グアダルーペを探せ〜」「奥まゆみ展」も隣接するギャラリーで同時開催しており、にぎやかな展覧会となっている。

大野町には、醤油蔵を改修したアトリエやギャラリーが点在する。活動拠点を求める若手作家と地域の活性化を願う住民によって始まった「くらくらアート」プロジェクト。金沢美大生が受け継いできたアトリエでは、現在7人のアーティストが活動している。


釣谷幸輝 銅版画展

2005年9月3日(土)〜9月11日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)

会場の様子

銅版画家、釣谷幸輝が表現するのは、薄暗がりの中でぼんやりと浮かび上がる、秘密めいた空想の世界。そこで生きる現実離れしたキャラクターたちを、リアルに描き出している。

個展では、2本の足が伸びた円錐状のじょうごのようなキャラクターがいくつかの作品に登場する。3つのじょうごがフワフワと空を飛ぶ「あいまいな記憶」から始まったシリーズは、作家が自身の記憶を辿りながら制作している。同じように、記憶に強く残っていたのが魚。自分の分身として、魚を作品のあちこちに描いている。

釣谷幸輝は、1967年富山県生まれ。1992年に金沢美術工芸大学大学院修了し、現在は富山県八尾の山間部に建つ古民家に住居と工房を構え、製作活動を行う。

美術サロンゆたか TEL:(076)232-1341

「眼差し」 「連結」 「悲しいクマ」

森田泰史・啓子 陶二人展

2005年9月1日(木)〜9月6日(火) ギャラリーノア(石川県白山市)

「黒泥波紋花器」(手前)「ガラス釉大壺」(奥)
「黒泥三島手壺」
「黒泥花器〜赤い月〜」

石川県白山市在住の陶芸家、森田泰史と森田啓子の二人展。黒泥やガラス釉を使った新作を発表する。

黒泥を使い始めたのは、およそ1年前。森田啓子が、古代を思わせる幾何学文様とツノのような足を付けた作品「黒泥花器〜赤い月〜」に取りかかる時に見つけてきた土だという。手びねりで作る壺はごつごつとした力強さと土の温もりを感じさせる。一方で、ガラス釉を使い、透明感のあるブルーとグリーンの爽やかな作品を作る森田泰史。妻の影響を受けて作った黒泥の作品も、表面を削ったり印花紋をほどこし、独自の雰囲気で仕上げている。

二人は共に、京都嵯峨芸術大学陶芸科を卒業。白山市に工房を構え18年になる。

ギャラリーノア TEL:(076)276-4486


本多隆之個展

2005年8月26日(金)〜9月7日(水) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

「稲」
「稲」
「金魚草」

古くから日本人と密接な関係にあった“稲”。太陽の光と水、土の養分だけで育つ稲を、力強く描く画家、本多隆之。見落とされがちな身近なモチーフに注目し、そればかりに集中し描いてきた。

“稲”をテーマに制作を始めたのは5年前。土から生まれ、人間の命を支えてきた“稲”の生長を見つめてきた。全ての作品に、泥臭い印象を受ける。可憐な花を描く時にも力強く、泥臭さを意識して制作しているという作家。大地に根を張り、花を咲かせ、米を実らせる。どの過程にも、土の匂いが感じられ、大地に生かされている生命の存在を感じさせる。

本多隆之は1978年生まれ、金城短期大学美術学科油絵コースを卒業。石川県現代美術展佳作賞をはじめ、一枚の繪現代洋画精鋭選抜展では銅賞を受賞。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


清水英姿 漆芸展

2005年8月22日(月)〜8月28日(日) ギャラリー美撰(石川県金沢市)

会場の様子
蒔絵「春の風」箱
蒔絵「紫陽花」四角盆
蒔絵「風花」八角盆

漆芸家、清水英姿の個展。四季をテーマに、草花や鳥などを描いた近作36点を紹介する。

会場では、4つの季節を順に展示し、それぞれの季節感が楽しめるように工夫。しっとりと控えめに咲くアジサイの様子を好んで描いており、多くの作品で見ることができる。また、スズラン、スイセン、千鳥といったもののほかに、プチトマトなど実をつけた植物の生長過程も興味を持って描いており、作品にユニークな一面を付け加える。

清水英姿は、1981年に金沢美術工芸大学工芸デザインを卒業。人間国宝、大場松魚に師事。現在、日本工芸会正会員、日本工芸会石川支部幹事、金沢美術工芸大学非常勤講師。

ギャラリー美撰 TEL:(076)243-0633



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