太田いくみ 布に咲く墨色展

2006年7月20日(木)〜7月31日(月) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

 
 
「帰去来X」

水墨画のようなにじみを生かした染め物を制作する染色家、太田いくみ。墨だけを使った単色の色使いで、思い切りのいい大きな柄や型紙を使う繊細な模様など、印象の違う様々な表現を試みる。綿や麻、シルクといった素材によって墨の表れ方が違ってくるという。墨の魅力を最大限に引き出そうと模索しながら作られた洋服やスカーフなど約70点を展示する。

独学で染めものを初めて30年ほど。現代美術展や日本現代工芸美術展、日展などで入選を続け、作品「帰去来X」では高校用の国語教科書の表紙にとの依頼がある。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


染−そのまま

2006年7月6日(木)〜7月23日(日) 桃組+晴組(石川県金沢市)

 
 
 

静岡県富士宮市で工房を構える染織家、遠藤あかねの個展。窓からの富士山の眺めに惹かれ、4年前から富士山麓の空き家を工房に使っている。季節や時間によって姿を変える富士の風景を布に描き出す。シルエットを写したのれんや色とりどりに染め上げたカラフルなコースター、自宅で飼う猫の行動を伸びやかなラインで表現した風呂敷など、テーマを設けず思うままに取り組んだ作品が並び、会場は自由で開放的な雰囲気となった。

遠藤あかねは東京都出身。石川県金沢市の卯辰山工芸工房で学んだ後、富士山麓の工房へと移り、富士山をモチーフにした作品を中心に制作を続ける。

桃組+晴組 TEL:(076)252-8093


松井裕志木芸展

2006年7月7日(金)〜7月17日(月) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

「秋田杉薄茶器木象嵌入」(手前)「楓薄茶器木象嵌」(奥)
「小額赤富士」(組子作品)
「桐木象嵌結界」
「煤竹花入れ」

種類の違う様々な木を使った組子の額絵や糸のように細く削った木片を埋め込んで装飾する木象嵌の薄茶器など、微細な作業を繰り返して完成させる木芸作品を展示する。伝統の技を受け継ぎ、海外でも作品を発表する松井裕志の個展。

松井裕志は実家の建具店を継ぎ、1999年全国建具展で労働大臣賞を受賞。その後、竹工作家の灰外達夫に師事し、組子(くみこ)の衝立やびょうぶの制作を始めた。石川の伝統工芸展で入選を重ね、今年は県知事賞を受賞。現代美術展で初入選するなど、活躍の場を広げている。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


西野健太郎個展

2006年6月30日(金)〜7月11日(火) ひろた美術画廊(石川県金沢市)

 
「Relux in bule」(左)「Ultramarine bule」(右)
「Mother ocean4」
木炭画の作品「Father and child」(左)「Wolf」(右)

海を連想する鮮やかなブルーの世界に、ホワイトタイガーやユキヒョウなど希少動物の姿を描く画家、西野健太郎の個展。アクリル画を中心に、木炭画4点を加えた約30点の作品を紹介する。

光と水泡が揺らめく海の中で、陸上ではどう猛な野生動物が小さな熱帯魚たちと戯れながら優しい表情を浮かべる。100枚以上の型紙を使いエアーブラシで描いた作品は、細部に筆を加えて完成させるという。見る人に癒しを感じてもらおうと、会場では音楽を流し、清浄な雰囲気を演出する。

昨年、日本では2人目の会員として世界動物画作家協会に選出された。カナダで発足した同協会は生態系の保護を目的として、自然や野生生物を表現する作品を販売し、売上げの一部を寄付金として使用している。

西野健太郎は、1980年金沢市生まれ。金沢二水高校を卒業後、渡米。2003年、アカデミーオブアート大学(サンフランシスコ)卒業。金沢にアトリエを移し、国内をはじめアメリカ、オーストラリアで作品を発表する。

ひろた美術画廊 TEL:(076)240-0007


やさしい暮らし

2006年6月24日(土)〜7月2日(日) ギャラリートネリコ(石川県金沢市)

清井純一の花器
清井純一のガラス製のニンニクとボール
尾田伊生の漆を施したスツール
尾田伊生の白木のスツール

木工作家の尾田伊生(おだよしお)とガラス作家の清井純一による展覧会。軽く持ち運べるスツールやガラスの器、箸置きといった作品を紹介し、優しい暮らしの在り方を提案する。

3本足のひょろりと長いシルエットがトレードマーク。漆を施したシャープな印象と、オブジェのような存在感が特徴的な尾田伊生の作品だが、今回は真っ白なギャラリーの雰囲気に合わせて、木目のデザインを活かした椅子を出品する。形が個性的な作品のひとつひとつに名前を付けることで、遊び心のある展示となった。

乳白色のガラスボールを出品する清井純一が通常手掛けるのは、全体に色を使ったカラフルなもの。白い壁に違和感のないようにと、色をひかえた作品は清々しい印象に仕上がっている。ガラスボールに山積みにされたガラス製のニンニクは、日々の生活から少し離れた非日常の空間を演出する。

尾田伊生は、1957年石川県加賀市生まれ。1987年より金沢市に工房を構え活動する。清井純一は、1991年に宝塚造形芸術大学プロダクトデザイン科を卒業し、富山ガラス造形研究所、金沢卯辰山工芸工房で学ぶ。現在、金沢市牧山ガラス工房に勤める。

ギャラリートネリコ TEL:(076)231-2678


たとえばうみのような

2006年6月18日(日)〜6月30日(金) oxydol(石川県金沢市)

奥田清崇「黒〜5枚のうみ〜」
奥田清崇「黒〜5枚のうみ〜」の一部
山崎夏美「影の独立」

金沢美術工芸大学3年の学生3人が作る展覧会。芸術学専攻の金城智子がキュレーションを務め、金城が掲げた“黒”をテーマに、油画専攻の奥田清崇と彫刻専攻の山崎夏美がそれぞれ制作した作品2点を展示する。

大理石で作る山崎夏美の作品は、思い詰めた様子でうつむく人物像。作品「影の独立」は、「“影”に思考と存在を与えたらどんな姿を見せるだろうか」というひとつの挑戦から生まれた。作られた“影”の形は、影のどの形容にも外れない内向的な印象のものとなり、形さえも失いかけた頭部は、それ自身の中に消え入ろうとしているように見える。大きな5枚のパネルからなる奥田清崇の作品は、光の届かない深海を描いている。アクリルや鉛筆、墨を幾層にも重ねて作った暗い闇のパネル。その表面を削り、手や頭など人間のパーツを浮かび上がらせている。“黒”というテーマから生まれた作品は、それぞれ人間の存在を見つめるものとなった。


「カタチの日記」展

2006年6月17日(土)〜6月25日(日) collabon(石川県金沢市)

saburoのガラス器
宮内知子の木工作品
saburoのガラス器
宮内知子の「つぼ」シリーズ

京都の木工作家、宮内知子と富山のガラス作家、saburo(サブロウ)を同時に紹介する展覧会。

2人の作品に共通するのは、編み目模様やモザイク模様の継ぎ合わせたデザイン。宮内知子は種類の違うさまざまな木材をボンドでくっつけ、まるで1本の木から彫り出すようにして作品を作る。不揃いの重なりに面白味があり、それが温かさにもなっている。透明なものと半透明なもの、2種類の板ガラスのピースを並べ、それを溶かして一枚のガラス皿にするsaburoの作品。霜が降りたような質感は、ふんわりとした優しい雰囲気を作る。「日々変わる心境と共に、作品も変化する」という作家の言葉の通り、移ろいやすさが作品の印象になっている。

宮内知子は、1972年東京都生まれ。武蔵野美術大学専攻科工芸デザイン専攻を修了。京都に移り住み、1996年より木工作品を制作する。saburoは、1976年滋賀県生まれ。2003年に富山ガラス造形研究所を卒業し、富山で活動する。

collabon TEL:(076)265-6273


ぼくのてのひらサイズ

2006年6月16日(土)〜6月26日(月) ギャラリー工人(石川県金沢市)

 
鉄釉の蓋ものと陶箱
灰粉引きの器
灰粉引きの陶箱

愛知県常滑で活動する陶芸家、三苫修(みとまおさむ)の個展。常滑の土で作った蓋物や花入れなど、およそ60点の作品を展示する。作品はどれも小さくて、手のひらに乗るくらいの大きさ。見た感じよりも軽く、意外と薄いのに驚く。

古びた廃材や捨てられたものに惹かれると話す作家。作品は小さくかわいらしい印象だが、よく見ると使い古した段ボール箱や表面がデコボコとしたブリキ缶を思わせる。ホーロー鍋の色に発想を得た真っ青な蓋ものや、ネジのボルトを思わせる形状のもの、鉄分の多い釉薬を使い表面に鉄サビを付けた作品など、手に取ってその軽さを実感しないと土ものであることを忘れてしまう、不思議な感覚の作品が並ぶ。

三苫修は、1973年大分県生まれ。1996年に東京学芸大学を卒業し、京都で焼物を学ぶ。2000年より常滑に工房を構え活動する。

ギャラリー工人 TEL:(076)296-7030


初夏の器展 壷田和宏・亜矢

2006年6月3日(土)〜6月11日(日) ギャラリーハシュ(石川県金沢市)

「船皿」
「注器と鉢」
 
「手びねり花入」

無釉で数日間高温で焼き締める、素朴な風合いが特徴の伊賀焼。土鍋や壷、大きな鉢など、伊賀焼の特徴を活かした蹴ロクロと手びねりで普段使いの器を作る壷田和宏と壷田亜矢の作品を紹介する。

手びねりで作られた壷や鉢の大きな作品がずらりと並ぶ。不揃いでゴツゴツした外見に存在感がある。一方の小鉢や一輪挿しといった小さな作品は、不器用な形がかわいらしく映る。どれも身近に置いておきたい、ほっとした気持ちにさせる作品。大きな鉢にお米や豆などをストックし、小さな注器でも並べたら、毎日使う台所が楽しい空間になりそう。

壷田和宏と壷田亜矢は、ともに愛知県立芸術大学を卒業。現在、三重県伊賀市で工房を構えて活動する。

ギャラリーハシュ TEL:(076)244-6632


新田佳子ガラス展

2006年6月6日(火)〜6月12日(月) くらふと&ぎゃらりいOKURA(石川県金沢市)

「縞のお鉢」
「草グラス」

爽やかな夏の訪れを感じさせる新田佳子のガラス展。吹きガラスにサンドブラストの技法で、グラスやそばちょこ、鉢や花器など、絵を描くように自由に模様の付けられた器が並ぶ。

規則正しいタテ縞を並べた「草グラス」は、原っぱをイメージしたという。水の雫をかたどった「SHIZUKUのリングホルダー」や雨粒の跡を思わせる「雨上がりの」シリーズなど、自然をモチーフに作った模様を中心に、タテ、ヨコの縞模様や古くから着物で使われている文様を組み合わせ、器の形と用途を活かしたさまざまなデザインを試みる。

新田佳子は、1976年大阪生まれ。倉敷芸術科学大学芸術学部工芸学科ガラスコースを卒業し、2003年よりリサイクルガラスを扱う金沢の工房スタジオリライトに勤める。大阪、神戸などで個展を開催。金沢では初めての個展となった。

くらふと&ぎゃらりいOKURA TEL:(076)263-3062


BackNumber 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33
34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65