縄文をみる縄文がみる−小野忠弘と宗左近−

2006年10月15日(日)〜11月15日(水) ガレリア(石川県白山市)

「円筒下層式深鉢」前期 伝青森(左手前)、「ユニマコバルト」1965(中央)、「点字ランボー」1964(右奥)

小野忠弘「ミスター・ヴォリンガーのドグマ」1964(左手前)
小野忠弘「点字ランボー」
「大木式深鉢」中期 伝福島(右手前)、小野忠弘「コバルトグラス」1965(左奥)

毎年開催し、今年で4回目となる小野忠弘の展覧展。今回は、詩人の宗左近(そうさこん)が収集した縄文土器を同時に展示し、従来とは違う視点から小野作品を読み解く。あわせて33点の作品を紹介する。

宗左近は、縄文の美とその時代に息づいた精神についての著書を残し、小野忠弘とは縄文土器を通じて交流があった。小野忠弘の作品には縄目模様が見られるなど、縄文土器から受けた影響は大きい。縄文土器というと分厚く粗い印象だが、作られた時期によっては精巧でエレガントなイメージのものも多く、それは小野作品に通じるものだという。縄文土器と並べて展観することで、作品の新たな一面を見ることができる。

小野忠弘は1913年青森県弘前市生まれ。1938年東京美術学校彫刻科を卒業後、福井県立三国中学校(現三国高校)に図画担当教諭として赴任、定年後は福井大学工学部の非常勤講師を勤め、2001年8月に他界(享年88歳)するまで福井県三国町に住んだ。

宗左近は、1919年福岡県北九州市生まれ。1945年東京帝国大学哲学科を卒業。第6回歴程賞、第10回詩歌文学館賞、岩手日報文学賞第11回賢治賞、第1回チカダ賞など、数々の賞を受賞。

ガレリア TEL:(0761)93-0403


戸出雅彦展

2006年10月6日(金)〜10月15日(日) ギャラリー点(石川県金沢市)

「漂着物5」

「陶片」
「盃」
「赤絵 鉢」

九谷焼の五彩に金彩、銀彩を加え、色とりどりの犬や鳥をコミカルに、にぎやかに描く戸出雅彦の個展。以前からモチーフとしている愛犬ジョンのキャラクターが色や形を様々に変えて、盃や花器、大皿のそこかしこに現れる。今年、滞在制作のため2ヶ月間をアメリカ・フィラデルフィアで過ごした作家。アメリカで受けた影響は、数え切れないほどの細い線を描き込んだ赤絵や、市松模様と金彩を組み合わせた絵柄など、日本の古典的な雰囲気となって現れた。本来は少しグレーがかった九谷の生地を真っ白にして使い、絵柄がより際立つようにと始めた工夫は、現代的な印象もある。

戸出雅彦は、1964年石川県金沢市生まれ。1988年に金沢美術工芸大学工芸デザイン科を卒業。金沢卯辰山工芸工房で陶芸専門員を務め、現在は、石川県立工業高校工芸科の非常勤講師。

ギャラリー点 TEL:(076)292-2140


国友博 個展−ひろば−

2006年10月5日(木)〜10月14日(土) ギャラリーアルトラ(石川県金沢市)

 

「こま遊び」
「遥かなる丘」

“ひろば”をテーマに南ヨーロッパの陽気で穏やかな風景を描く、国友博の個展。集落とそこで暮らす人々の様子を描いた作品を中心に、作家が生まれ育った昭和30年代の大阪住ノ江の思い出をこれまでの作品に重ねた新作など、人々で賑わう活気あふれる広場の様子を伝える作品が並ぶ。

同じ構図で描いた大作の3点が目を引く。画面中央に力を入れ押し出したものや、全面に鮮やかな色を散りばめたものなど、ひとつの構図から生まれた作品でもそれぞれ印象はずいぶんと違う。明け方から夕暮れの間で見え方が変わる風景のように、描き手の気持ちが絵の中の世界をがらりと変えてしまう。その時、「自分が描きたいと思ったものを思い切り描いた」と話す作品には、作家の気持ちが激しく表れている。

国友博は、1957年、大阪市生まれ。金沢美大油画科を卒業し、一創会、現代美術展への出品を重ねながら、金沢で活動する。近年では、友禅染のデザインを手掛けるなど、活動は多岐に渡る。

ギャラリーアルトラ TEL:(076)231-6698


第6回石川一陽会委員・会員展

2006年10月6日(金)〜10月16日(月) ひろた美術画廊ANNEX(石川県金沢市)

大場吉美「ひととしぜん」

北谷茂子「今日、明日、」(左)、大鍬英治「雅」(中央)、浮田正樹「ライフライン」(右)
安田淳「もうひとつの現実」

石川一陽会のメンバー16名による近作を紹介する展覧会。絵画30点と彫刻1点を展示する。

くり抜いた無数の丸をキーワードに人間の内側を問い掛ける大鍬英治の木彫作品や、心象風景を描いた大場吉美の2枚の連作、安田淳の赤と黒の印象的な作品など、それぞれが抽象による表現を様々な方法で試みている。

出品作家
和泉 洸、浮田正樹、大場吉美、大鍬英治、北谷茂子、酒井幸雄、柴山桂子、洲崎幸七、竹田明男、中野久賀子、中本邦夫、西山恭申、野中未知子、野村秀久、判 三教、安田 淳

ひろた美術画廊ANNEX TEL:(076)240-0007


山室淳平 個展

2006年9月21日(木)〜9月26日(火) ひろた美術画廊ANNEX(石川県金沢市)

シルエットを描いた「ビル」(左)と小さな家並みもドットでぼやける「風景」(右)

ゲームの中の世界を描いた「大戦」(左)
「空」(左)「雲」(右)
ドット表現へのとっかかりとなった方眼紙のドローイング

幼い頃、見慣れたテレビゲームのキャラクターが現実の世界にあるものと感じることがあった。小さかったころの記憶を頼りに、1年ほど前からドットでの表現を試みる。なにげない日常の風景や、空、建物、人、植物などをモチーフに、リアルが感じられなくなった現実の虚構を見つけ、ドットを通して記号化された現代社会を描き出そうとする。

山室淳平は、1980年福岡県北九州市生まれ。2006年に金沢美術工芸大学大学院を修了し、現在、同大学で非常勤実習助手を務める。

ひろた美術画廊ANNEX TEL:(076)240-0007


〜い展〜船木大輔 やきもの展

2006年9月14日(木)〜9月19日(火) ギャラリー千代堂(石川県白山市)

「オブジェ紋深鉢」

「箱詰めぐるぐる坂(クレーン、ボーリング)」
「鳥形雲紋花器」
「楽描紋ひねり盃」

九谷焼の技法をベースに、自由な筆の運びで紋様を作り出す船木大輔の個展。3年前の「あ」展に続く、今回の「い」展(「うえお・・・」と続くかは未確認)。久々の個展に加え、制作する環境が変わったこともあり、作品にも大きな変化があったようだ。独自に考えた楽描紋(らくがきもん)は、まるで子供がするように自由気ままに描いたコミカルなもの。ウズ巻きの連続や、太陽、雲、雨をモチーフにした絵柄は、大きな鉢やぐい呑みの作品に一味違った印象を付け加える。

船木大輔は、1977年金沢市生まれ。2004年に石川県立九谷焼技術研修所を卒業。金沢市工芸展や伝統九谷焼工芸展などで入選、受賞を重ねる。現在は工房で勤めながら制作を続けている。

ギャラリー千代堂 TEL:(076)275-0305


こどもが手にするもの

2006年8月4日(金)〜8月14日(月) ギャラリー工人(石川県金沢市)

増泉由子のガラスのスケッチブック

香田昌恵の器
子どものための器
石原稔久の積み木やブロック

焼物やガラス、漆、木工を扱う8人の作家が集まり、子どものための器やおもちゃを発表する。作家たちは普段の制作から少し離れて、子どもが使うことを意識しながら作ったという。小さな手でもつかみやすいようにと工夫した皿やスプーン、ポンポンと押して遊べる増泉由子のガラスの判子、木製のものとは違った手触りが面白い石原稔久の陶でできた積み木、覗き込むと風景が違って見える小野口カナメの探検グッズなど。動物のキャラクターたちが楽しそうに駆け回る香田昌恵の食器は、こどもの興味を惹き付けながら、毎日の食事を楽しいものにしてくれる。

出品作家
赤地径(磁器)、石原稔久(陶器)、小野口カナメ(ガラス)、香田昌恵(磁器)、工房 千樹(漆器)、津村里佳(ガラス)、増泉由子(ガラス)、長谷川一樹(木工)

ギャラリー工人 TEL:(076)296-7030


ポジャギ 韓国のパッチワーク

2006年7月20日(木)〜7月26日(水) G-WINGSギャラリー(石川県金沢市)

黄美貞のポジャギ
南庚淑のノリゲ
鄭恩賢のジュエリー

風呂敷や袱紗のように物を包んだり、上にかぶせたりして使う“ポジャギ”は、韓国では生活の必需品として広く使われている。その中でも、伝統衣装を作る際に出るはぎれを利用して、パッチワークの技法で再生する“チョガッボ”は古くからの知恵と技が生かされたもの。肌触りの良いシルクや麻の感触が伝わってきそうな、やさしい色合いの作品が並ぶ。

また、彫金やインスタレーションなど韓国の3人の作家による展覧会も同時開催。韓国に伝わる伝統技法と新しい感性から生まれる現代美術を紹介する。伝統衣装チマ・チョゴリを着る時に胸から垂らして使う装飾品“ノリゲ”など、その文化に触れる展覧会となった。

出品作家
黄美貞(ポジャギ)、南庚淑(彫金)、金善得(インスタレーション)、鄭恩賢(彫金)

G-WINGSギャラリー TEL:(076)238-0788


大鍬英治・北川宏人 2人展

2006年7月20日(木)〜8月6日(日) 美術サロンゆたか(石川県金沢市)

大鍬英治「幽艶なる刻」
大鍬英治「新時代の鼓動」
北村宏人「少女A」
北村宏人「ニュータイプ少年」

木彫の大鍬英治とテラコッタを使う北村宏人、2人の彫刻家の作品約60点を紹介する。

ケヤキや桐を素材に木目を活かしたダイナミックな作品を作る大鍬英治。直径2〜3cmほどの穴が無数に空けられた作品は、物事の外側と内側の関係を表現しているという。ゆるやかな曲線は生命の尊さを伝えるが、穴を覗いてもその実体を見ることは出来ない。

テラコッタで作った人物像にアクリルで鮮やかな彩色をする北村宏人の作品は、アニメのキャラクターをかたどったフィギュアを思わせる。ピンクや紫色をした少年の髪、個性的な立ち姿、形など、近未来型のマネキンたちが並び、不思議な空間を作っている。

大鍬英治は、1965年岐阜県生まれ。金沢美術工芸大学彫刻科を卒業。金沢市内の高校や大学で教壇に立ちながら、一陽会会員として活躍する。北村宏人は、1967年滋賀県生まれ。同じく金沢美術工芸大学彫刻科を卒業後、イタリア・ミラノへ渡り、アカデミア美術学院彫刻科で学ぶ。国内外での個展を行っている。

美術サロンゆたか TEL:(076)232-1341


陶房あめつち 中川豪・美保展

2006年7月22日(土)〜7月31日(月) ギャラリーハシュ(石川県金沢市)

 
 
 
 

九谷焼の技法を使いながら、自由な発想で新しい九谷焼のスタイルを提案する中川豪と中川美保の個展。九谷の五彩が鮮やかな作品だが、古典的な花鳥風月をアレンジした文様もどこかかわいらしく、鳥や植物が活き活きと描かれている。器をはじめ箸置きや針山、シーサーの置物など、九谷焼の伝統を活かしつつもそれに縛られず、身近なものをモチーフに制作した作品が並ぶ。

共に、石川県立九谷焼技術研修所を卒業。今年独立し、石川県能美市で陶房あめつちを構えて活動する。

ギャラリーハシュ TEL:(076)244-6632


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