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池月(いけづき) |
鳥屋酒造株式会社
〒929-1715 石川県鹿島郡鳥屋町一青ヶ部96
TEL 0767-74-0013 FAX 0767-74-1139
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大正期の蔵はがっちりと組まれた堅牢な造り |

冬の酒造りを静かに待つ酒蔵 |
眉丈山系の美味なる水を醸す
石川県の北部、縦に長い能登地方は南半分が口能登、北半分が奥能登と称される。鳥屋町は口能登の真中に位置し、農業ならびに繊維産業が盛んな町として知られている。町の西側には豊富な水をもたらす最高海抜225メートルの眉丈山系が縦走。緑の丘陵がすぐ目の前にある自然豊かな地域だ。
そんな鳥屋町の中心部に、大正8年(1919)創業の鳥屋酒造はある。能登の酒は元来が濃醇で旨口と分類されるが、鳥屋酒造の酒は昔からサラリと淡麗が持ち味だ。「水のせいじゃないでしょうか。眉丈山系の水は軟水で、うちは社屋の地下80メートルから汲み上げています。また、柳矢健清杜氏は能登杜氏ですが、繊細ですっきりした切れ味の酒に仕上げるんですよ」と社長の川合喜好氏。そのすっきりと淡麗な酒は、「池月」「能登正宗」の2つのブランドで、わが町の酒として地元で愛飲されてきた。
能登の地酒から石川の地酒へ
旨い酒を造りながらその町でしか知られていない地方の小さな酒蔵が紹介され、酒通の間で注目を浴びるようになったというのは、これまでの地酒ブームの中でよく耳にした話である。ブームが一段落した今、その功罪が云々されているが、旨い酒を造る酒蔵が見出されたことは酒蔵を活気づけ、日本酒文化継承の大きな力となった。それは確かである。
鳥屋酒造もまた例外ではない。平成6年に、地酒にこだわる金沢市内の酒販店店主の1グループが鳥屋酒造を訪問。き酒をしてそのよさに驚き、特に、川合社長いうところの「たまたまその年大量に手に入った山田錦と、五百万石で試しに造った販売のあてのない」大吟醸を絶賛。「たまたま造った」とは、のんびりした話であるが、これが評判となるのだから何が幸いするかわからない。酒販店のメンバーはこの酒をグループのオリジナルブランドとして販売することを決定。銘酒「みなもにうかぶ月」の誕生である。評判は上々、2カ月足らずで完売。これ以降、鳥屋酒造の酒は金沢を中心に広く知られるところとなる。
自然に寄り添う酒造り
販路が広がれば酒造りにもより力が入る。「あれがきっかけで精米率は5%アップしましたし、現在特定名称酒は全量の60%となりました。いい酒を、いい酒をとやっているうちに自然に増えていった感じです」。「みなもにうかぶ月」発売から7年となるが、評価も定着し、限定の生新酒販売を楽しみに待つファンも増えている。これからも理解ある小売店と二人三脚でいきたいと川合氏は語る。
家業としての酒蔵が多い中で、鳥屋酒造は珍しく血縁に関わりのない“会社”である。川合社長は鳥屋酒造に入社して40年、酒蔵の変遷をつぶさに見てきた人だ。酒造りに直接携わっているわけではないが、昔は道具の洗浄という重労働も経験し、酒蔵に対する愛着はひとしおである。「酒は水と米と風土で醸すもの。自然の恩恵です。旨い酒でも毎年微妙に違いがあります。それもまた、酒の、酒造りの妙味だと思う」。鳥屋酒造の銘酒は杜氏の技のみならず、この蔵元の達観とおおらかさから生み出されている。
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